パチンコ日報

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ホールで酒が飲めたなら

ホールが景品として置いているスーパードライのロング缶1本を景品交換したおじいちゃんがいた。店内で飲むことを想定していないので、ビールは冷えていない。にもかかわらず、おじいちゃんは生温いビールを飲みながらパチンコを打ち始めた。

アルコールが景品として解禁されてかれこれ、25年以上は経つ。その間、ホール内の飲酒は禁止であることは暗黙の了解である。

おじいちゃんがビールを飲みながら遊技していることに気づいた店員が「店内では飲まないで下さい」と注意した。

おじいちゃんは「店内で飲まないようにしてください、と注意書きは書いていないじゃないか」と反論した。

そして、こう続けた。

「じゃ、外で飲むのは構わないだろ」と言って飲みかけの缶ビールを持って外へ出て行った。

時刻は昼過ぎだった。

おじいちゃんは5箱分出していたが、一向に帰ってこなかった。

店長は機転を利かせて、玉箱を回収することなく、そのままにしていた。

で、おじいちゃんが帰ってきたのは、夜8時過ぎだった。

帰ってくるまでに、7時間近くもかかっている。

何をしていたのか聞いてみた。

「1本では飲み足らず、コンビニで飲んでいたら、パチンコしているのを忘れてそのまま家に帰ってしまった」

店長は店内に「飲酒禁止」の張り紙をしていなかったことを反省した。

店長が台を回収しなかったのは確変に入っていたためだった。おじいちゃんの確変は閉店まで続いた。

しかし、この時店長はふと、考えた。ビールを飲みながらパチンコが打てたらもっと楽しくなる。野球や相撲観戦は酒や弁当を食べながら観戦する。

「飲酒OKのコーナーを作るのもありかも知れない。ホールの概念を変えるにはそれぐらいの変化が必要」(店長)

勝った、負けたがつきもののパチンコは負けが込むとボタンを必要以上に叩く。昔はガラスをたたき割ることもあった。そういう環境で酒でも解禁すると大変なことになると考えるからだろうが、本来の娯楽の姿に戻れば、酒を飲みながらのパチンコもありだ。

岐阜県高山市のインバウンドパチンコ「EBIS」は、お酒が飲めるカフェとパチンコを併設している。軽く飲んだ後で、ちょっとパチンコで勝負、というスタイルが定着しつつある。

あるいは、1000円でどちらが早く大当たりするかを賭け、負けた方がカフェで奢る、なんて遊び方もできる。

TBSの「プレバト」で人気になった俳句の夏井いつき先生は、1枚の写真を見て句作する場合、何を発想して、何を連想するかが俳句の出発点と教えている。誰もが思いつく光景では平凡な俳句しか作れない。そのために、常に「発想を飛ばせ」と生徒に叱咤激励している。

広い休憩コーナーがあるホールは、そこを立ち飲み居酒屋にするぐらいの発想があってもいい。


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