4号機から5号機へ完全移行した2007年は、併設店とスロ専を合わせると約1500軒が淘汰され、ベニヤ板営業で凌ぐホールもあった。10年前のこととはいえ、業界にはその時の記憶が生々しく残っている。新基準機のことよりも、ホールもメーカーも旧基準機を使うことと、売ることに専念したいのが本音であろう。
今は膨大に押し寄せてくる認定申請依頼で、事務処理をする所轄、全商協、回胴遊商の現場は大混乱が予想されている。
期間内に処理できない懸念材料もあることから、全商協は10月13日付で全日遊連に対して「ぱちんこ遊技機の認定申請に関するお願い」と題する通達を流している。
それによると、2007年1月以降に発売されたパチンコ機については、認定申請書類を出して、検定機から認定機となった遊技機は中古機として、売買できなくなる。場合によっては、中古機として売買した方が高値で売れる機種もある。認定申請ばかりしていては、結果的にホールの資産価値の目減りにもつながる恐れがある、ということだ。
また、認定機となった機種は同一都道府県内の同一名義人ホール以外、中古機移動させることはできず、他店との売買等はできなくなる。そのため、何でもかんでも認定申請することが得策とはいえないケースもある。従って2017年1月以降に発売されたパチンコ機に関しては認定申請を極力避けて欲しい、という依頼だ。
「認定を受けると確かに後3年は使えるが、今、稼働のない機械を認定機にしても、稼働が見込めるかといえば、それはNOだと思う。再浮上することは考えにくい。現場は認定を受けることが大前提で動いているが、中古機で結果が数字で残っている機種以外認定する必要はない」(ホールオーナー)
認定申請の費用もかかるわけで、認定申請にホール現場も忙殺されている場合ではない。
その一方で年末商戦に向けて、リリースされる旧基準機の新機種に期待を寄せるホールオーナーもいる。
「来年2月1日から新基準機に移行しますが、新基準機には期待はしていません。メーカーも旧基準機を売り切ってから、新基準機でしょうから、むしろ、年末に登場する旧基準機には大いに期待しています。最後の旧基準機を大事に使って行きたい」
旧基準最後の年末商戦でホールが注目している新機種は、早くも約3~4機種に絞られている。
テッパンといえば、三洋の大海物語だろうか。それ以外に注目機種として挙がっているのが、ニューギンの花の慶次、京楽のウルトラセブン、平和のルパンなどだ。
中でも2005年の発売から12年の時を経て、満を持して登場するのがウルトラセブンである。前作では大当たり確率は辛くとも、一度当たった時の瞬発力から大ヒット機種となった。
パチンコの醍醐味は出玉であろう。瞬発力はないが安定感ある。安定感はないが瞬発力はある、となれば業界で支持されているのは後者だろう。
最近の機種の中ではウルトラセブンは尖がったスペックと言われ、ミドルタイプで大当たり出玉2400発+小当たりラッシュで約3000発が出るとの噂があり、今後大いに注目されることだろう。
業界ではビッグコンテンツはシリーズ化され、食傷気味になるほど何作も登場するが、ウルトラセブンに関してはこれでまだパート2、というから驚かされる。
12年間温めてきたといえばオーバーだろうが、初代ウルトラセブンからどう進化して登場するのか見届けたい。


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