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「暖房費がもったいない」北海道ホールオーナーの切実な声

越水(山梨)、小野(愛知)、浅野(石川)、山田(埼玉)、原田(東京)、青松(長野)、阿部(東京)——これは全日遊連の歴代理事長である。

なぜ、歴代の理事長の名前を挙げたかというと、全日遊連の理事長は地方の苦しい状況を知っている理事長でなければ、業界はよくならない、という声が聞こえてきたからだ。

業界の業績が悪化した時代を振り返ると、原田理事長は2008年~、青松理事長は2012年~、阿部理事長は2014年~となっているが、2年間だけだが長野県の理事長が就任している。

「都会で営業している経営者と地方ではかなり温度差がある。地方で2~3店舗しか経営していない人が全国のトップになってもらわないと、地方の苦しさが行政にも伝わらない」と話すのは北海道のホールオーナーだ。

JR北海道は全区間が赤字となっている。北海道の人口が札幌へ一極集中していることの弊害が周辺人口を押し下げ、鉄道利用者を減らし、赤字を生む原因にもなっている。赤字路線の駅前で営業していた小型店舗がまず淘汰され、全国大手の進出で地元ホールは瀕死の状態が続いている。

北海道で苦しんでいるのはホールやJRだけではない。劇団四季は昨年11月から今年2月まで劇場を閉館していた。理由は冬場は集客できなくなったためだ。人気のキャッツでも満席にならず、平日は東京よりも3000円もチケットの値段を下げるほどだ。東京でチケットはなかなか取れないが、北海道ならいつでもチケットが取れる状態が続いている。

「息子が同世代の若手経営者とどうやったらお客さんが増えるか、話し合ったことがあったが、もう、諦めた。情熱もなくなった。そもそも中小ホールは釘を開けてもお客さんは来ない。色々な業界コンサルも使ってきたが、北海道の瀕死のホールを立て直すことができるコンサルはいない。本当に業績を上げて欲しい時は逃げる。彼らは詐欺師だ!」と憤る。

かつては冬場は北海道レジャーの花形だったパチンコは今は昔。ユーザーの高齢化と共に車を運転できなくなったことも影響している。

「北海道の冬場の暖房代はバカにならない。今は従業員のために暖房を入れているようなもの」

この切実な言葉に北海道の実情が表されている。全国的にも過疎化が進んだ町からパチンコの灯りが消えていく。

「等価になってからお客さんも苦しくなった。かといって日報さんが指摘する40玉交換には今さら戻れない」

とはいうものの、業界に公平感があったのは40玉交換で打ち止め開放があった時代だ。午前中に終了した台は午後から、午後に終了した台は、夕方に抽選開放することで、各時間帯の稼働を押し上げてきた。昔の営業方法は先人の知恵だった。

等価交換に慣れきった今のユーザーはすぐには馴染めないかも知れないが、そこに引き戻すことが業界努力だろう。

ガラガラポンで客層も一新しないことには、業界の再生はできないのかも知れない。


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