1人はユニバーサルエンターテインメントの岡田和生会長で、もう1人は衆議院議員の亀井静香だ。
岡田会長は一代で築き上げたユニバーサル帝国のドンとして君臨していたが、20億円の私的流用問題で取締役会からクーデターを起こされ、会社を追放されてしまった。これを不服とした岡田会長は、代表復帰を目指して手続きを踏んだとしているが、ユニバーサル側は全面否定している。
一方の亀井代議士は警察官僚出身の政治家として、パチンコ業界とも何かと関りを持っていた。そのうちの1社がユニバーサルだった。2009年、同社の創業40周年の記念式典に招かれて、壇上でかつては犬猿の仲だったサミーの里見社長と岡田会長を握手させた光景が印象深い。
2005年の郵政解散選挙では自民党を離党して、国民新党を立ち上げた。2009年、民進党が政権を取った時は連立を組み、鳩山内閣で金融担当大臣になるも、野田内閣と対立して離脱。下野すると政治的影響力も薄められて行った。
政界引退の弁をこう述べていた。
「皆さんのご苦労を活かすことができなくなった。一緒にやっていく相棒がいない」と悔しさを滲ませた。
何かと縁の深い2人が同じ時期に忸怩たる思いで去ることは、因縁めいたものすら感じさせる。
これも一つの時代が終わる何かのサインなのだろうか?
ホール企業4社が顧問税理士に、今後5年~10年後の各社の経営シミュレーションを行ってもらった。ホール規模は単独店から数店舗の中小ホールだ。
改正風営法が施行されるのは来年2月1日から。現行の遊技機は旧基準機になるが、検定が3年間あることを考えると、完全に新基準機に移行するのは3年後の2021年。経過措置の3年後に機械を買える体力が残っているかを判定した。新台、中古を含めて機械の平均購入価格を1台30万円で計算した。
うち2社には「閉店」の判定が突き付けられた。しかし、ある程度の覚悟はできていたので、その結果に驚くこともなかった。
4円コーナーは新基準機を導入することになるが、初号機は稼働が取れるかどうかは皆目見当がつかない。当面は新台入れ替えのペースは落ち込むことは想像に難くない。
メーカーの新基準機の開発はあまり進んでいないようで、下請けの開発会社は「開発案件が止まっている」と悲鳴を上げる。
買い控えが続けば、当然、新基準機の中古のタマ数そのものが少なくなることが予想される。中古機オンリーで運営している弱小店には、新基準機の中古そのものが回ってこない可能性もある。
そうなると、べニア板営業も余儀なくされる。そんな見すぼらしいホールへ行く客もいない。
完全5号機に移行した2007年はホール、スロ専を含めると約1500軒が閉店に追い込まれている。
今回の規則改正は5号機ショック以上に業績に影響を与えることになる。出玉性能がパチンコ、パチスロ共に3分の2に抑えられ、ホールは売り上げ、粗利とも減少することを心配する。
座して死を待つか、業界が一丸となって遊技人口を増やすか。
やらなければならない答えは出ている。にも拘わらず突破力のある旗振り役が登場しない。

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