「昔は『ウチに任せてください』と自信もあったが、あの頃は今考えれば誰がやっても業績を上げられた。でも、そのときは気づかなかった。店長を管理する意味でもコンサルを入れていた」と話すホールオーナーはさらにこう続ける。
「今は月1万円の情報を聴いている。1時間程度の内容。ホールによって状況も違うので参考程度に会社の経費で買っている。聴かないよりましだけど、こんな物を売るようじゃしょうがない」
今でも細い線でそのコンサル会社とはつながっているようだ。
ホールオーナーの不満はズバリ、コンサル会社が業績を上げられないことにあった。
「パチンコの情報量は確かに持っているが、それは業績アップにはつながらない。機械評価の情報屋にもカネを払っていたけど、役には立たなかったので切った」
業界が儲かっている時に月額100万円のコンサル料を取っていたコンサルは、ほとんどが姿を消している。理由は前述したように業績を上げることができないためだ。今までの手法がまったく通用しない。
なぜ、通用しなくなったのか? それはオーナー側にも問題があることにオーナー自身が気づいていない。
いつの頃から稼働よりも粗利を重視するようになったのだろう。一世のオーナー世代は、何よりもイの一番に稼働を重視した。利益は後から付いてくるもので、稼働重視は最優先課題だった。従って、昔の新装開店はメーカーの営業マンの腕の見せ所で、赤字は大歓迎。黒字になったらその営業マンには雷が飛んだ。
そんなオーナーは現役を去り、鬼籍に入った。今や昔の苦労を知らない二世、三世が社長をやっているが、新台を入れ替え過ぎて、新台効果があるうちに、機械代の回収を最優先するようになった。これがお客にはボディーブローのように効いて、パチンコから足を洗っていった。そもそも昔のようにパチンコユーザーもいないところで、どんなに頑張っても稼働なんか上がるはずもない。
「オーナーと戦える店長が居なくなったって事でしょ。お客さんの為を思うならもっと戦わなきゃダメだと思いますよ。利益重視のオーナーとはね。『目先の利益と数か月後の稼働と利益どっちを取りますか?』と私はオーナーに言いました。お客さんを痛めるだけの営業方針なんでスッパリ辞めさせていただきました。台じゃないんですよ。扱う人の問題です」と退役店長。
これからは良貨が悪貨を駆逐して行く時代になって欲しいものだ。

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