ペーパーレス化の波で、会議資料はパソコンで共有する時代でコピーする必要がなくなってきているためである。
リコーの代理店がホール企業にも得意先を持っている。40~50店舗クラスのチェーン店本部とも取引をしていたが、このほどリース契約を打ち切られた。この時ホールの担当者が自嘲気味にこう言った。
「コピー機は世の中から必要とされなくなっているが、パチンコも昔に比べてお客さんが入らなくなっている。パチンコも必要とされなくなってきた」
このホール企業はホール営業で不要なものをすべて洗い出してみた。その中に会議資料作りに使っていたコピー機が、資料を各担当にメール送信することで不要になったため、リース契約を打ち切った。それでもコピー機は必要なので、必要最小限用に近くのホームセンターで業務用を買ってきた。
不要なものを洗い出してみると70項目ほどに上った。
客からも要望を聞いて回ると浮かび上がってきたのが、「過剰なサービス」だった。
例えば、「ありがとうございます」というあいさつ。負けている人にすれば腹が立つだけ。カウンターで景品交換する客すべてが勝っているわけではない。
自由に使える紙製のおしぼりを使っていたが、これがお客からは不評。安い紙製オシボリよりも、布製のものを手渡しする方が喜ばれることに気づいた。
ホール営業で無駄なもの筆頭が機械代だった。機歴販売に対応するために、余計な機械まで買っていたが、そこで、新台の購入を半分に抑えてみた。それまで20台買っていたものは、10台、10台なら5台、と。これなら付き合いの面目も立つ
これを数年間で新台購入を40%削減した。例えば1億円買っていたとすれば、6000万円だ。新台購入を40%も削減したが、最終利益は40%の機械代を減らした方が、利益が75%増えた。
新台を無暗に買わなくなったことで、現場が今使っている機械の稼働を上げる創意工夫をした結果だった。本部は新台経費を削る、現場は知恵を絞る。その相乗効果だ。
「お客さんからは4円と20円はいらないといわれているのが現状です。4円、20円のお客さんは1円、5円に落ちてくることもなく、そのまま引退しています。お客さんがたくさん座っているコーナーが必要とされているもの。コピー機と4円はいらない」(同ホール関係者)

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