法案の中身は入場回数の制限、入場料の徴収、マイナンバーでの本人確認の厳格化、家族からの依頼による入場拒否、カジノ内に日本人が使えるATMを置かないなどを骨子としている。
こうした日本の動きに対して、MGM、サンズ、ウィンなどの日本進出を目論んでいるラスベガスのカジノオペレーターは、日本に対する興味や関心が、「期待」から「落胆」へ大きく変化してきている、という。
理由は、ギャンブル依存症を懸念する反対派に配慮するあまり、最初から失敗するようながんじがらめのカジノ解禁になりそうだからだ。
ミスターラスベガスのラスベガス大全によるとこんな状況になっている。
ラスベガスの地元紙も悲観的だ。「100億ドル(1兆円)ぐらいの投資をする用意がある」と日本のカジノ解禁に期待し、実際にこれまでに何度も日本にも出向いていたMGM社の CEO であるジェームス・ミューレン氏の 「The opportunity in Japan is unclear at the moment」(現時点では日本の機会は不明)というかなりトーンダウンしたコメントを紹介。同時に、「日本国民の半数以上がカジノ解禁に反対」 という日本の特殊な事情やパチンコの存在など、日本市場が一筋縄ではいかないことも報じている。
依存症対策をやり過ぎると日本市場は海外オペレーターからそっぽを向かれる可能性だってある。
ギャンブル依存症対策をどこまで本腰でやり切るかは、開業後でなければ分からない。やり過ぎて売り上げが上がらなければ元も子もない。緩和路線変更は大いにあり得る。
いい例がマイナンバーカードだ。
本来の使用目的は次の3つだった。
1つ目は社会保障。各種年金記録の管理や、雇用保険や福祉などをスムーズかつ公正なものにするためにマイナンバーを活用。
2つ目は税金。マイナンバーで所得を明確に管理することで、公平に税金を徴収できるようなシステムの構築。
3つ目は災害対策。被災者への支援をしっかりと隅々まで行き渡らせることを目指す。
2017年5月現在、マイナンバーカードの交付率は9%、と非常に低調なことをから、改正マイナンバー法では、自治体が条例で定めれば、マイナンバーカードを独自に利用できるようになっていた。だから、カジノ入場にマイナンバーカードの提示なんてことができる。
話は突然変わる。
IRに飲食で参入を目論むホール企業がある、という情報が飛び込んで来た。
「マカオのベネチアンは1日9万人が訪れるんですが、スイーツが集客に欠かせないポジションになっています。そこで行列ができるような名物を作って飲食で日本のIRに絡むことを目指して動いています。それを第二の柱にして、500億円規模の事業に育てることを目論んでいます」(大手広告代理店関係者)
IRに食い込んで話題を作り、そこから全国へチェーン展開していくようだ。

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