パチンコ日報

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業界が失っている信用について考える

昔のオーナー(一世世代)は、店が信用を落とすことを何よりも嫌った。一度信用を落とし始めると、信用を取り戻すためには10倍の努力と期間が必要になってくるからだ。

今のホールの現状を見るにつけ、遊技人口が減少してしまったのは高齢化だけの問題でなく、業界そのものが信用を落とした結果ではないかと思ってしまう。

2001年に放送されたスーパーテレビ情報最前線「勝ち残るのは誰だ! 実録・パチンコ戦争」をYouTubeで観てふと、この「信用」について考えさせられた。

この番組はドキュメントで新潟のパチンコ戦争にスポットを当てた。大手マルハンが新潟へ初出店。迎え撃つは地元の玉三郎。

それまで玉三郎は地域一番店を誇っていたが、マルハンの出店で立場は逆転する。

売り上げ目標は8割にも達していない状況で、地域一番店の自負も吹き飛んでしまった。

営業会議でオーナーは店長に「原因は何だ?」と詰問する。

店長は「大型店の影響で…」と消え入るような声で答えた。

オーナーはデータを見て激怒する。

「利益を達成して稼働を16%も落としているとはどういうことだ! 必要以上の利益をお客様からもらったということだろう! 出玉の少ない店を客が見切るのは早い。失った信用はどうするんだ。どうやって取り返すんだ!」

「ホールでお客様の生の声をしっかり聞いていきます」と店長は答えたが、これがオーナーの怒りに油を注ぐ。

「その前にやることがあるだろう。ないのか? 一番最初にやることがあるだろう。それも忘れたのか!」

「……」

「自分の店に戻ったらな、きちっと全員集めて土下座して謝れ! バカヤロー!」

ここでテーブルに置いてあったものが、店長めがけて投げつけられる。

「お客様に謝って、自分の部下に謝れ!」

ここで再び、テーブルにあったものが店長めがけて投げられるが、これはあえて的を外していた。

「はい」と店長は小さく答えた。

「謝りもしないで、先にお客様の意見を聞いてどうする」

このシーンは業界人の間でも伝説になっている。

しかし、今の時代ならパワハラで訴えられるところだ。世の中は変わった。

再建の神様といわれた玉三郎には、店の立て直しを依頼するオーナーも少なくなかった。その中の一件が北海道の錦娯楽センターだった。

北海道は規制が緩かったマルハン、ダイナムの進出で地元の小型店舗はもろに影響を受ける。売り上げが30%ダウンしたことで2代目社長が玉三郎の門を叩く。

店舗診断の後2代目オーナーと店長の面談が始まる。

「出玉の期待感がない。店のイメージが悪い。イベントをやっても出していない」と現実を突きつける。

イベントの日に利益を抜いたことがあるか、という質問に店長は当然あると答えた。

「あそこは出ないイメージを植え付け、同じ失敗を2回繰り返したら、この次はないですよ。店を見れば店長の人格、性格までも分かる。店そのものが店長そのもの」と店長に釘を刺す。

店の再建には2代目オーナーの教育が必須となるので、オープンまでの田山学校で3泊4日の研修を受け、腹の底から声を出し、羞恥心を捨てる。自分を売り込むことの訓練のために町に出向き無償でトイレ掃除をする。

144台の玉五郎湧別店は放送から16年経った現在も営業を続けている。きっと、「信用」を守り続けているのだろう。


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赤字にはなっていないが…

旗艦店とは言わないが、基幹店的存在だった店舗が閉店するのではないか、という噂を耳にしたのは9月下旬。隣接する競合店とのし烈な競争を展開していたが、結果は遠の昔に出ていた。

「そんな噂が流れていましたか。ま、噂が流れてもおかしくない、どうしようもない店舗はたくさんありますからね。経営効率を考えると閉めるか、売るかはしなければならないと思います。噂になっている店舗はまだ赤字ではありませんが、会社の方針は稼働の悪い店にはおカネをかけないので、中古しか回ってきません。それが悪循環になっていることは間違いありません」(ホール関係者)

首都圏の駅前店舗でも苦戦を強いられている、ということは地方になればもっと閉店に該当する予備軍はまだまだたくさんありそうだ。

「1割は閉店を検討しなければならない店舗はありますが、そういう噂が我々の耳にも入ってくるようになったら、お終いですね」(同)

ダメージが大きいのは4パチの稼働の落ち込みである。それがそのまま業績を大きく落とす原因になっている。4円の稼働に拘り続けてきたが、エリア長でさえも4円の稼働を上げられる人材はいないのが現状だ。広告宣伝規制でイベントが禁止になったことが大きく響いているが、結局稼働を上げて店長からエリア長へ出世した人たちの武器はイベントだった、ということになる。

「稼働が悪いところでも、赤字になっている店舗はありません。でも、赤字ではないということはどういう意味か分かりますか? それだけ閉めているということです。これでお客さんが増えるはずもありません。現場も委縮してしまって出したいときも出すことができません」(同)

4円等価で業績を伸ばしたしっぺ返しが今になってボディーブローのように効いてきている。業績が伸びている時はそれが正しいやり方だと思っていた。1パチは4円の稼働があるホールはやるものではない、と思っていた。

「業績が伸ばせないとなると店長が取り組むのが接客です。あいさつや笑顔を厳しく指導したりします。会社に対しても接客は目に見えるのでどうしても力が入りますね」(同)

接客教育はしないよりもやった方がいいに決まっているが、やっていることが客にどう響くかが問題だ。

「接客の前に店長がまずやるべきことは、全台のハンドルチェック。バネ飛びが悪い台を洗い出して、修理すること。それと空調のチェック。蚊取り線香を持って風の流れを調べる。稼働の悪い台は空調が効きすぎているとか、空調が効いていないとかの問題がある。そういう悪い部分を改善するだけでも稼働はあがります」(実力店長)

日報のコメントにもあるように、ユーザーが求めているのは出玉>接客である。ここを満足させての接客で、満足のないところでいくら接客してもそれは不満に感じるだけだ。


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4号機時代のイメージで語られている依存症に異議アリ

「業界の悪いイメージを作ってしまったのは、もちろんわれわれパチンコ業界の責任ではあるが、依存症のイメージが4号機時代とごっちゃになっている」と問題的するのはホール関係者。

現場からすると、世間から思われている依存症と現実にかなりの差を感じている。

悪夢の4号機時代。合法的賭博機と揶揄された4号機で「100万円勝てる!」と話題騒然となったのは2002年のこと。1年後には検定取り消しとなるが、100万円は勝てなくなったが、20~30万円勝てる機械はざらにあった。

「あの頃は主婦も4号機をガンガン打っていました。スロットコーナーは女性客の比率も高かった。しかし、4号機時代が終わり、サラ金の総量規制で主婦が手軽におカネを借りられなくなったことも重なり、4号機を打っていた主婦の姿も見かけなくなりました。4号機の賭博機時代のイメージのままで、依存症が語られている。パチンコ業界が反論できないのは、在日が多いので反論すれば叩かれるから。今の現状と突き合わせて依存症問題を語って欲しい。1パチを毎日楽しんでいる人のことを依存症と呼ぶのか、と言いたいです」(同)と訴える。

本当に借金を重ねる依存症が多いのであれば、ここまで4円の稼働が落ちるわけがない、というのが関係者の見立てだ。全国的に見ても4円より1円の稼働が高いホールが圧倒的だ。出玉規制で射幸性を落としても依存症対策として意味がないのは、このことである。

コメント欄にもあったが、ある意味業界は知らず知らずのうちに依存症対策は、ここ数年間に亘って取り組んできた。

「勝てない」、「ベタピン」、「回らない」、「新台から回収台」

これらの言葉が意味するのは業界自らがパチンコ離れに勤しんで来た、という事実である。皮肉なことだが、勝てなくすることが一番の依存症対策で、全盛期には3000万人いたパチンコファンが、今や1000万人を切ろうとしている。

あえて依存という言葉を使うが、昔の経営者は依存させるために、新装開店ではジャンジャン玉を出して、リピーターにさせて、平常営業に戻ってから少しずつ、少しずつ回収モードに入り、客が離れそうになると、バカ出しして、再び客を戻す。そんなテクニックを使いながら、依存症を増やしたが、ここ10年はそんな営業をしているホールはない。

依存症が社会問題になるのなら、遊技人口は最盛期の3000万人よりも増えて、今は4000万人になっていることだが、全くその逆を行っている。

「冬ソナブームの時は今まで見かけなかった女性層が増えたが、その人たちも残っていません」(同)

これが現状である。

まず、ホールが新台に依存する体質を改善させることの方が先だ。

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野菜の屋台がシニア層の固定化に

「お客様から『野菜の販売は、次はいつやるの』という声が多いので、その声に後押しされるように定期的に開催するようになりました」(ホール関係者)というように、顧客から喜ばれる屋台販売として注目されているのが365マーケットだ。

365マーケットとは、生産者の顔が見える産直野菜を全国から探しだし、野菜ソムリエや食の専門家たちが、分かりやすく消費者に伝え、ダイレクトに販売するマルシェ型野菜販売サービスだ。

365マーケットの特徴は、ただ野菜を販売するだけではなく、フードメッセンジャーという食のスペシャリストが、販売スタッフとして野菜の美味しい食べ方やレシピを紹介してくれるのが特徴だ。

野菜を販売する場所はホールの駐車場や店舗の軒先。



扱う野菜は季節ごとに変わる。ダイコン、ホウレンソウ、小松菜、カブ、ニンジンなど4~5種類の野菜が屋台に並ぶ。

販売方法は現金。安全で美味しい野菜が50円から100円ぐらいで買えるとあって、ホールの女性客から好評。ちなみに、1人当たりの客単価は250円ぐらい。

フードメッセンジャーは、野菜と健康についてのアドバイスしてくれる。それがシニア層に好評でフードメッセンジャーが時には話し相手にもなってくれる。

埼玉県のようにライターイベントを中止する県も出てきている。芸能人に比べ、ライターは30万円ほどで呼べる手軽さがあったが、その予算があれば野菜屋台なら月5~6回は開催できるほどの費用だ。一過性の集客よりも、定期的な離反対策を求めるニーズが増えている。



ちなみに、費用は40名分の野菜で5万円。これに販売スタッフの経費1万5000円がプラスされる。野菜の量によって20人分~80名分プランが用意されている。屋台を開くのは午後2時ごろからで、40名分なら1時間ほどで完売する。

365マーケットを運営するヴァカボは、「野菜で会社を健康にする」をテーマに、この野菜を使って企業向けの福利厚生サービスも開始した。野菜知識が豊富な食のスペシャリストが、野菜の美味し食べ方や保存方法などを従業員へ説明しながら、野菜への興味を喚起していく。



野菜屋台を開催したホールのスタッフの人たちから、「自分たちも産直野菜を買いたい」という声も挙がっていたが、企業が従業員の健康管理を経営課題として取り組むことが注目されている。

野菜を安く買えることでの従業員満足の向上、野菜を食べることでの従業員の健康増進などに役立てることができる。野菜を食べる習慣を付けて、心も体も健康になれば万々歳だ。

従業員向け野菜マルシェはこちらを参照




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依存症対策には営業時間やレートの見直しも

ハンドルネーム「業界人」さんは、業界を離れ今は精神疾患の病院で働いている。元業界人だったからこそ見えてくるパチンコ依存症問題もある。

以下本文

現在、私は精神疾患に関わる病院で働いています。

うつや統合失調症の多くは、社会的にストレスの強いイベントが発症原因となっていることが多いです。離婚、リストラ、学校や社内でのいじめなどなど。育児や障害児の出産、こどもとの死別などもあります。

アルコール依存症の患者さんもこうした原因があって、うつに進行し依存症になってしまうことも多いです。アルコール依存症が進行すると脳に重大なダメージを与えることになり、コルサコフ症候群などのような疾患へと進行していきます。

アルコール依存症の患者は、一旦退院しても、退院日当日にも飲酒してしまうことも多々あります。精神的にも身体的にも依存してしまうため、克服はかなり難しいところです。

グループワークなどに参加し、一日一日の積み重ねによって克服していくしかないのかもしれません。依存症の中でもアルコール依存症くらいでしょうか、入院となる患者は。

パチンコ依存症で入院なんてことはありません。

違法薬物を使用した患者さんの場合、治療が必要な場合は専門の病院で治療となります。傷害などでの鑑定入院の患者はみたことありますが、違法薬物での患者はみたことがありません。

ちなみに、ギャンブル依存症は無治療で治ることが多い疾患だそうです。パチンコ、ギャンブル依存症の問題点は、書いてくださった通りです。パチンコ依存者による悲しい事件、事故は起こって欲しくないと願っています。

凱旋門賞に出るような馬を買ったり、他国で銀行やるような企業は、率先してパチンコ依存症対策を行って欲しいです。

託児所などの整備、医療機関と連携できるような体制作り、営業時間やレートの見直し。

それは、利益追求ではなく、娯楽として在り方の見直しに他ならないです。

本来は日陰で細々とやる産業だったのが、地位向上のためマスコミを利用し、アミューズメント産業なんて耳障りのよい言葉に置き換わってしまった。

タイアップすることで、機械代は上昇。今ではパチンコ用版権アニメも多数あります。

私も業界側だった当時は、パチンコ用版権アニメを自社で積極的やるように進めていました。ですが、それらよりももっとやるべきことがあったのかなと、業界を離れてみて気づくことができました。

パチンコ依存症が問題なのではなく、そうした事件を起こす人たちの自己責任だろうという意見もあるかと思います。が、パチンコ依存症の苦しみは、パチンコ依存症になったものしかわからないと思います。

もちろん、パチンコ依存症だという病識のない人も多くいると思います。パチンコが関与する問題は、パチンコ業界でなければ解決できません。

だからこそ、マスコミなどもそのために利用しすべきだと思います。自らがただ儲けるために利用すべきではないです。

いろんなことをつらつらと書いてみましたが、私自身、パチンコ業界側だったときは、逆の位置、考え方にいたんですよね。

パチンコが、もっと健全で、楽しくて、温かみのあるものになって欲しいと思います。パチンコ業界に自浄作用がないことは誰もが知っているところですが、それでも期待したいです。特に、子を持つ親の立場としては、こどもが絡む痛ましい事件、事故が無くなって欲しいです。

長文失礼しました。


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