そうした慣習から「端玉がいらない」というお客さんの端玉をクリアしないで、専用のカードの貯め込んでいるホールがある。そのホールは床に落ちたこぼれ玉もせっせと拾い集めてそのカードに貯めているので、床に玉が落ちていることもない。
そうやって貯め込んだ端玉は年間で40万円近くにもなる。
こうやって貯めた端玉は、忘年会の費用などに充てられていた。従業員もそれを楽しみに、床に落ちた玉を拾い集めていた。オーナーもそれを黙認していたのだが、このホールに業績を立て直すために、他店から引き抜かれた新しい店長が赴任してきた。
新任の店長は業績を立て直すために、ホールの問題点を洗い出した。その時に端玉を専用カードに貯めていることを知る。
新任店長はいくらお客さんがいらない、といってもすべて返却するように指導した。
新任店長のいうことは正論だ。従業員からは反発の声は上がらなかったが、従業員にすれば、自分たちの楽しみを奪う憎っくきよそ者店長、となった。
この一件で従業員は店長を無視するようになった。
店は店長1人では回らない。司令塔である店長が指示して、従業員が協力することでホールは運営できる。
業績を立て直すどころの話ではない。それ以前のところで躓いてしまった。
テレビで芸能界の裏話を暴露する番組があった。
その中で芸能レポーターが大物芸能人を潰した裏話を披露していた。そうなった経緯と手口はこうだ。
大物芸能人Aは、芸能レポーターに対して常日頃、「スキャンダルはお互いに商売になっているのだから、どんどん取材しろ」といっていた。
ところが、Aの愛人スキャンダルが発覚して、芸能レポーターがAに取材をかけると手のひらを返したよう態度に出た。取材どころではなく、クソミソにいわれた。
この時の怒りが芸能レポーターの間で、今後一切Aを無視する、という協定ができた。
例えば、大物芸能人が亡くなられた時、葬儀会場には芸能レポーターも訪れ、大物芸能人のインタビューをするのが慣わしだ。
この時、芸能レポーターたちはAを徹底して無視することに決めているので、Aにマイクを向けること止めた。
大物芸能人が死亡するたびにAも弔問に訪れるのだが、Aにマイクを向けることはなかった。そのうちAがレポーターの前を何度も行ったり来たりするのだが、無視を続けた。
葬儀会場だけでなく、それ以外の場所でも芸能レポーターはAを無視し続けた。
すると、Aの露出がどんどん減り、ついにはレギュラー番組までも失ってしまったのであった。
Aの件は自分のまいた種が原因だが、無視されるということは、こんな悲劇を生むことにもなる。
では、ここで問題。
あなたが先の端玉のホールに赴任した新任店長だったら、どのように対応しただろうか?

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