釘調整の技術そのものが劣化しているように思えて仕方ない。簡単なヘソの開け閉めしかやってこなかったツケが業界衰退に拍車を掛けているようにも思える。
粗利が取れなくなれば、閉める。閉め具合がはっきり回らないと見た目と実射で分かる。
駅前の老舗店の稼働低下が止まらない。
「スタートを開けても、TYも削りもやめたのに、何をやってもダメなんです。どうしたら稼働が上がるでしょうか?」と店長から相談を受けた業界関係者がいる。
最近経営が代わったホールの方へどんどんお客さんが流れている。
このホールのゲージはおしなべてきれいなことで有名なのだが、釘がきれい過ぎてスタートも開いてるようには、見えない。一方のライバル店は開いているように見えるし、そこそこ回る。
「おたくのホールは釘を見た時点で戦意が湧かない。打ちたくなるゲージの研修をもっともっとやるべきだ。
倉庫にある同一機種5台で、スタートは同じ5.5回にして、どの道釘が一番打ちたくなるかを社内で研究した方がいい」とアドバイスを送った。
今の店長4号機時代を経てイベントで集客していた世代なので、広告とイベントが規制されるとなす術もない。
釘の技術は置いといて、この業界関係者はメーカーにこう要望する。
「フィーバーが出た当初はスタートも3カ所あったが、今のスタートがヘソになって何十年も経つ。そろそろゲージそのものも発想を転換して、スタートの位置を天の方に移動するなり、お客さんが打ちたくなるゲージを作って欲しい」
釘の技術の劣化が稼働低下を招いている一因でもあるが、高稼働ホールはハネモノに力を注いでいる。ハネモノは調整するにも非常に労力を要するが、その分、技術は確実に磨かれて行く。
それこそ、昔はチューリップ機があり、一発機があった。当時は釘の技術を磨かなければ、取られっぱなしにもなるし、閉めればお客さんは付かない。
当時は終了台、遊び台、回収台と3つのカテゴリーがあった。釘の技術があればこそ遊び台を作ることができた。これを今、ハネモノで技術磨きを実践しているホールは、基本技術がしっかりしているので、業界がシュリンクしようとも、会社としてはまだまだ伸びて行くことができるというものだ。

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