本人自身根っからのギャンブラーでもある。
業界が衰退する理由は、いくつもの原因が重ね合わさったことだが、最初の間違いがノーパンク営業だった。
「パチンコ営業を24時間365日同じ人間が打ったと想定したら店側が負ける。一旦、リセットして翌日全員が新たにおカネを使ってくれるから、営業が成り立つ。ノーパンク営業は前者に近い。ノーパンク営業は安い玉で遊ばせることになるから、釘が閉まる。そこに等価営業だからますます釘が閉まる。パチンコ営業の原点は1回交換。これなら一人が大勝ちすることもなく、釘も開けられた。交換するたびに売り上げも上がった」
ところが、今のMAX機は1人が大勝ちする仕様になっている。
「MAX機は3700~3800回転させないといけない。1分スタートを6回として、1時間で360回転、3600回転するのに10時間はかかる。それだけ回すのに20万円前後はかかる。それは1人を大勝ちさせるため。よくこんな機械が保通協を通るもんだと感心する」
確変が認められた当初は、次の大当たりまで玉が減らないためのものだった。メーカーのカタログのスペック通りでは利益が出ない。ホールは利益確保のために出玉や確変ベースを削って来た。
それにメーカーも協力するかのように電チューを釘で囲ったこともあった。メーカーのお客さんはホールなので、ホールが買ってくれるように、利益の上がる機械ばかりを作り続けた。ホールの利益が上がるということはお客さんの懐を痛めることだった。
「メーカーは釘の叩けない店長でも扱いやすいように液晶をどんどん大きくして、釘の本数をどんどん少なくさせた。メーカーがハネモノを発売しても売れなかったのは、釘の技術がない店長がいかに多かったか、という証拠。スタート調整しかできない店長に、ハネモノを扱うことはできない」
話を聞いて改めて感じることは、先人たちが築き上げてきたパチンコ営業こそが大衆娯楽だった、ということだ。
1回交換は一見、お客さんに不利に思えるが、実はお客さんに勝つチャンスをたくさん与えられる営業だった。
今の射幸性に慣れた客には全然物足らないだろうが、定量制の交換営業はホールとユーザーをwin winの関係にするものだった。
一部定量制を復活させる店舗も出てきていることは、パチンコ営業の原点に戻ろうとする動きでもある。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。