警察OBが一連の流れをこう解説する。
「自分たちが仕事をしている実績作り。政治的圧力もあるが、パチンコとの比較対象となるカジノが現実のものになろうとしている以上、遊技とギャンブルの違いを明確にすることを迫られている。ギャンブル状態になっていたパチンコ業界を野放しにしていた批判をかわさなければいけない。今までは比較対象がなかったので大甘にやってきた。パチンコで1日20~30万円も出る台があること自体がおかしい。釘でベースを上げる指導はまだ序の口」
この20~30万円も出る機械を規制して、射幸性の高い機械は一掃しなければならない。
「1日で勝っても2~3万円が今の遊びの範疇。10万円となるとそれは遊びではない。この遊びの方向へ警察は持っていこうとしている。業界がまた警察の裏をかいて対応を間違えると、次は3店方式、換金問題まで踏み込まざるを得なくなっていく」
警察が思い描くのは、フィーバーが出る以前のパチンコ。当時は2000個終了、3000個終了の時代で、2~3時間かけて終了させても5000円。当時はお客もそれで満足していた。
ギャンブル性が高まったのはフィーバー登場以降だが、それに拍車をかけたのが他ならぬ警察だった。警察OBの天下り先として作ったカード会社。業界が射幸性に舵を切ったのはここからだった。
警察庁の肝いりでスタートした業界健全化=インのクリアのためプリペイドカードは遅々として導入が進まなかった。痺れを切らした警察が導入促進のためにCR機には確変を認めたことから、カードは普及したが、射幸性はどんどん高まって行った。
「確変を認めたのは警察で、それに対しては負い目がある。批判の目が来るのを恐れているので、強制的に方向転換しようとしている」
しかし、業界自体がこれだけ巨大化した今、30年以上前の業界に戻すことは非常に困難なこと。30年前のレベルに戻れば、大半のホール、メーカーが潰れて行く。
「警察も一気にはしない。担当も変わるので、次の仕事を残しておかなければならない。4~5年かけてじわじわやる。その間に業界は襟を正しなさい、ということ」
射幸性を落とすためにホール側でできることといえば、まずは換金等価を止めることだ。段階的に交換率も下げ、最終的には50玉交換ぐらいが着地点か。

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