「縮小傾向にある業界が復活することは絶対に無理」
改めてこんなことをいわれると、業界で働く人に希望の光もない。
大阪のユニバーサルスタジオジャパンは、去る2月20日、2014年度の入場者数が過去最高を記録した。これまでの最高は開業直後の2001年度の1102万9000人。
昨年7月に開業した映画「ハリー・ポッター」の世界を再現したエリアが人気を集め、月間入場者数は同月から7カ月連続で過去最高を更新した。今年度は最終的に1200万人超えを見込んでいる。
同じ余暇産業であるUSJは好調な客足から6年連続で1デーパスの値上げを行っている。ことし1月30日には220円値上げして大人の1デーパスは7200円になった。
6年連続で値上げに踏み切っている理由は、値上げ分でアトラクションの拡充を図る狙いがある。1月には期間限定で話題の「進撃の巨人」、7月3日からは恒例の夏アトラクショントとして「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」が初登場した。
この先5年分のアトラクション計画が進んでおり、何度来ても飽きないようにリピーターをつなぎとめる作戦だ。
これは、パチンコにも相通じるところがある。それはいうまでもなく、新台の投入だ。常に新台を導入することでユーザーを飽きさせないようにしているつもりだが、今や新台効果も薄れるばかりだ。
「パチンコは全国にあるので、テーマーパークのように底上げすることはできない。パチンコが復活するには景気回復しかないが、もう一つはメーカーがインベーダーゲームのような、日本国民を熱狂させたような機械を作らないことには無理。メーカーが社運を賭けて開発してみろ、といいたい。今、パチンコをしている人はおカネにシビアではない人、年金や生活保護を全部使う、いわゆる宵越しのおカネは持たない人しか残っていない。利口なお客はパチンコはしない」と手厳し。
この研究員が求めるのは普通のサラリーマンが打てる機械の開発だ。それも従来の発想ではなく、革新的で熱狂する機械だ。
今の新台は金太郎飴で、液晶のキャラクターが違うだけだ。そんな機械に飽きた人たちもパチンコから足を洗ったことにメーカーは気づかなければいけない。
メーカーは自社さえ儲かればいい、という考えだが、ホールが潰れて行けば、やがてはメーカーも潰れることになる。
回って当たりが早く来れば、客が喜ぶという考えがメーカーにはあるから、1個返しというとんでもない発想が生まれる。
1個返しでもベースが高いのならともかく、カネを使わせる発想から脱却しなければ、お客さんは戻ってこない。
USJが好調な理由は入場料の7200円に見合う楽しさがあるからだ。楽しいからおカネを払うのであって、楽しくないものにはおカネは払わない。

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