業者に便宜を図った収賄罪で有罪判決を受け実刑をくらった。
一から出直すために職を求めて東京へ出てきた。インターネットカフェで偶然見たアルバイト募集がウチコだった。
12時間労働で日当は8000円。実際は開店前から整理券をもらうために並ばなければいけないので実労は15時間に及んだ。
5万円以上勝った場合はプラス5000円が支給された。
ウチコのアルバイトは1年も続けなかったが、この間釘の読み方を覚え、グランドオープン情報の情報収集の仕方を身に付けていた。それで上にピンハネされるより、実入りが多いピンプロの道を歩み始める。
ピンになって1年以上が経過した。
関東一円のグランドオープンを狙っているが、年間1000万円以上稼ぐようになった。
AさんはMAX機専門のプロ。釘でボーダーが分かるパチンコと違ってスロットは見ただけでは設定が分からないのでやらない。
グランドオープン情報を探して、ビジネスホテルを拠点に動いている。時には整理券をウチコ軍団から3000~5000円で買うこともある。
MAX機で最高に勝った金額は40万円。
負けてもせいぜい4~5万円だが、グランドオープン狙いなので滅多に負けることはない、という。
「グランドオープン以外でMAX機を打っている人がバカに見える。ま、そうやって打ち込んでくれる人がいるから助かっている」(Aさん)
そんなAさんに激震が走ったのがMAX規制だった。
「MAX機がなくなったら、この道からも足を洗おうと思っています。でも、今はMAX機があるうちは行くところまで行きます」(同)
ピンプロも長時間労働には変わりはなく、勝ってもおカネを使う時間もないので、おカネは貯まって行った。現在の預金残高は1100万円ほど。
懲戒解雇で退職金も出なかったAさんだが、この貯金が退職金分相当だという。
「人生のマイナスがこれでやっとゼロに戻った。公務員をやっているよりも、この先の20年をプラスの人生にしたいですが、再就職にも年齢的な限界があります」(同)
ウチコ軍団の存在は業界が等価に走った結果生まれたようなものだ。2.5円交換のままならこれほどプロ連中に業界が食い荒らされることもなかった。
いま、一気に2.5円交換に戻せばプロだけでなく、一般ユーザーも消えてしまう。しかし、そこからのリスタートをしなければ業界は生まれ変われない。

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