50代の中年サラリーマンAさんは、元々下痢症なのだが、夜11時前ごろ、急に腹を下し始めた。
その時、駆け込んだのが会員証も持っているホールだった。ホールは閉店5分前で、閉店の準備に入っていた。
「す、すいません、トイレを貸してもらえますか」
「うちはもう閉店なんで。近くに西友があります。そこは24時間営業なのでそちらに行かれたらどうですか」とニコニコ笑顔で応えてきた。
Aさんは緊急事態だった。今にも漏れそうだった。
ニコニコ顔に腸が煮えくり返ってきた。
しかたなく、西友を目指したが、西友のトイレまで行き着くことはできず、途中で漏らしてしまった。
Aさんはスーツ姿だった。
スーツのズボンだけでなく、おろしたての革靴まで糞まみれになった。
臭いは強烈で、どこにも立ち寄れない。こんな格好ではタクシーにも乗れない。
公園のトイレに立ち寄って、ある程度洗い流した。
自宅まで2時間かかって歩いて帰った。
Aさんはこれまでずっとパチンコをやってきた。トイレを借りに行ったホールの会員証も持っていたほどだ。しかし、この一件があって「2度とパチンコはやらない」と決心できた。
これまで、そろそろパチンコもおカネがかかるので潮時かと思っていたが、ホールの不条理な対応が決定打となった。
ここでトイレを借りれていたら、Aさんの心証も変わっていたはずだ。
ここからが、問題だ。
あなたが、閉店5分前のお店の店長だったら、トイレを貸したか、どうかだ。
所轄によっては23時以降にお客さんが店内にいることが分かったら、指導対象になるケースもある。
「現場の判断は難しい。5分前寸前に言われたら断るかも知れない」(B店長)
「とっさの判断は悩む」(C店長)
聞いたサンプルは少ないが、すぐに貸すという声は聞こえて来ない。店長自身が下痢で大変な思いを経験したことがあれば、貸し出すかも知れないが、悩むという店長は切羽詰まった経験がないのかも知れない。
閉店5分前を盾に、お客さんの緊急事態を助けられなかったことは悔やまれる。
あなたが店長ならどう対応する?

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