来年1月からは待ったなしの摘発が始まることになる。
1月といえばホール業界が一番の書き入れ時である正月営業がスタートする月でもある。
「指導通りに釘を触るとなるとベースが上がって、スタート回数が落ちることになる。ベースが上がる分、おカネはかからないかもしれないが、初当たりまでの時間が長くなる。1時間で初当たりが来たところを2時間になったらお客さんは耐えられない。甘デジだって30分で初当たりが来たものが1時間に延びたとしたら、時間のない人はますます打たなくなる。初当たり時間が長くなれば客離れがますます進む。来年の正月営業は正月気分も吹っ飛びそうだ」と顔を曇らせるのはホールオーナー。
セブン機一辺倒の機種構成の中で、スタート重視の営業方法を業界は貫いてきた。そのために他入賞口の他、大当たり出玉を削ったりして、その分、回転数を上げてきたが、取扱説明書通りだと、出玉を削ることもできなくなる。
「回らない、ということが一番お客さんがストレスを感じる。回すためには取りあえず等価交換を止めること。それと同時にメーカーも等価仕様の機械から脱却を図ってもらわないといけない。30玉交換前後で営業できるゲージにしてもらいたい」
正月営業に危機感を持ったオーナーは早速、顧問税理士に相談した。
「うちの内部留保でお客さんが減ってもどれぐらい持ちこたえられるか計算して欲しい」
顧問税理士はオーナーの依頼を一蹴した。
「まず、どれぐらい稼働が落ちて、売り上げ、粗利が減るかをシミュレーションして、数字を持って来て相談に来てください」
いずれにしても、警察の指導通りの釘では、客離れが加速することは必至である。
「スロットのARTも2~3時間かけて出玉を出すが、その間の遊技性がスロットにはあるから、時間がかかってもお客さんは付く。パチンコにも初当たりまでの遊技性が欲しい」
今回のベースを上げる指導は、セブン機一辺倒の業界に対する一種のアンチテーゼでもある。
ベースを上げたらスタートが回らない、というセブン機を以外の革新的な機械をメーカーは作れということだ。
メーカーの真の開発力が問われる。

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