新台をすべて否定するわけではない。不必要なものは買わないのが一番だが、売る側も機歴販売をさらに強化して「新台恐怖症」を植えつける。
そもそも、その機歴販売の「本命」が、ことごとく裏切られているわけだから、ホール側の学習能力も疑われる。
機械の購入費の効率を経営者視点で帳票にして、数字で見えるようにしたのがオフィスジャパンだ。難しくいえば「台当たり販管費と機械代を管理し、店舗の投資利回りを指標化する」。機械代の無駄の見える化だ。
最近の機械は導入から1カ月で半値、1/3になる機械も珍しくはない。それらの機械は稼働も利益も取れない機械だ。
財務会計の機械代の簿価と管理会計の中古市場価格に基づいた資産価値合計は当然違ってくる。
例えば、こんなケースがある。
4パチと20スロの等価営業。
4パチの年間平均稼働は3万5595で台粗5550円。20スロは1万3681で台粗は3807円。
この店の機械購入費を除く販管費(地代家賃、人件費、リース代、販促費)は年間で1日1台当たり2500円かかっている。
1年間でかかった機械購入費は2億952万8050円(機械代簿価)。台粗から販管費を差し引き、さらに機械購入費を引くとパチンコの純利益総額は8779万6395円、台当たりでは710円。一方のスロットは▲1億8445万6773円の純損失で、台当たり▲1201円。合計では台当たり▲246円の損失を生み続けた1年だった。
はたから見ると高稼働ホールながら、中身は赤字。収益悪化の大きな原因はスロットの収支構造だった。機械代の投資対効果(ROI)は、マイナスとなっており、機械代をかければかけるほど営業損失が膨らむことに。
遊技台の投資が稼働貢献しているかどうか、オフィスジャパンが提供するOJISの平均稼働情報に対して自店との現状を比較すると、このホールはパチンコ、スロットともほぼ全機種で平均稼働を上回っていたが、スロットの主軸機種などでは一部下回ったものもあった。
店舗の全体平均稼働では近年まれに見る高稼働ホールといえるが、その稼働を達成するための投資配分が妥当かどうか検証する必要がある。
オンラインOJISというネットワークを使って、中古機の市場価格情報(週平均価格、最低価格、最高価格)を提供することで、今、売却したら純利がいくらになり、利回りがいくらになるかも分かる。これは機種の増減台数を検討するうえでの大きな指標となる。
これが結果的には遊技機メーカー毎の機種別成績表にもなる。
「機械代の無駄を理性で表します。パチンコのいい悪いはマーケット(お客さん)が決めること。パチンコの魅力がなくなったから打たなくなっている。価値のない機械は買わないこと。機械代の投資効率を高めたらもっと収益性の高い業種になる。投資効率をよくするということは、減らした機械代をお客さんに還元すること。ホール営業で出玉は最高のサービス。出玉がないことはお客さんの楽しみを奪っている。面白かった、楽しかった、ストレス解消になった、とパチンコ本来の姿に戻らなければパチンコの未来はない」(新井代表)と断言する。

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