監視カメラで捉えたゴト中の引いた写真を使うことが主流でもある。
都内の某ホールでもゴト師の写真を貼り出したところ、本人から「俺はゴト師ではない」とのクレームが入った。
本人は現行犯で捕まえられていないので、妙な自信はあるようだ。
「俺がゴト師だという証拠を出せよ。明らかな証拠があるのか」とホールを詰問した。
これに対して、ホール側は監視カメラで撮影した動画を見せた。これが動かぬ証拠だといわんばかりに、自信を持って臨んだ。
男はゴト師グループのうちの1人である、という確証を持っていたが、映像からはそれらしき行為をやっているが、決定的とはいえなかった。
その映像を見て、男はますます強気になった。
「有罪になるんなら訴えてみろ!」
警察24時のドキュメント番組でも、警察は容疑者を逮捕する場合、現行犯でなければ、捜査に捜査を重ね、動かぬ証拠を固めたところで、逮捕に踏み切る。
今回取ったホールの措置は、疑わしい範囲の中での写真の公開だった。
ゴト師の写真を公開することで、同じグループが再犯を行わないようにする抑止力が目的だった。
逆に男は肖像権の侵害と名誉毀損でホール側を訴える、と言い出した。
思わぬ反転に驚いたのはホール側の方だった。
確証を持って公開したのに、それ以上の反論ができなかった。
男が打っていた台の差玉を出せばよかったのかも知れないが、そこまで気は回らなかった。
もっとも怪しまれるような出し方もしないだろうが。
画像を公開した狙いは抑止力だった。
しかし、これが本当に抑止力になっているかというと、検証してみなければ分からないが、肖像権侵害に加え、名誉毀損で訴えられるケースを考えると、もっと他の方法があるのではないか、と考えるようになった。
「顔をぼかすとかの方法も含めて、社内で検討していきます。こうしたケースでは弁護士先生や所轄と相談して今後は対応していきます」(同ホール関係者)と反省の弁を述べる。
こうしたケースで他ホールではどう対処しているのか? 何度もゴト師に狙われているホール関係者はこう話す。
「うちの社長は相手はゴト師なんだから、写真を貼り出せ、というんですが、完全にクロという証拠がありません。グレーなことはトラブルの元にもなるので、うちでは写真は貼り出しません」
セキュリティー対策の専門家はこう指摘する。
「最近はセットする側とウチコは完全に分業化されているので、ウチコはそもそも道具を持っていないので、立件できません。加えて、ゴト師も理論武装していますから、そういう写真はまず、人目につくところに貼り出さないことです。要は従業員だけが分かればいいことです。ゴト師を見つけても、その場で捕まえず、出て行ってもらう雰囲気を作ることです」
最近のゴトは9:1の割合でスロットに関するゴトが多い。
パチンコは構造的にゴトができにくいことに加え、ゴト師にすれば1玉4円より、1枚20円のスロットを狙う方が効率もいいから、自然とスロットに流れる。
パチンコはエコパチになれば、不正対策は万全といわれているが、スロット業界からはそうして動きがないのも妙な話だ。

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