ちなみに平成元年の男性の喫煙率は55.3%で、女性は9.4%だった。特に男性の喫煙率の低下が激しい。サラリーマンの少ない小遣いの中でタバコ代が捻出できなくて止める人も少なくない。
喫煙率が下がれば、タバコ産業の規模も同じように下がる。新聞記事にもあるようにJTはタバコの4工場を閉鎖し、1600人の人員削減に踏み切っている。

タバコとパチンコは類似点が結構ある。
その一つが健康問題だ。
タバコのパッケージには「喫煙はあなたにとって肺気腫を悪化させる危険性を高めています」「未成年者の喫煙は、健康に対する悪影響やたばこへの依存をより強めます。周りの人から勧められても決して吸ってはいけません」と印刷されている。
パチンコも大騒音と殺人光線とまで言われる光に副流煙で健康とは対極にある。
そして、共に斜陽産業への道を歩みかけていることだ。
JTはメインのタバコだけではやっていけないので、医療用医薬品、飲料水、冷凍食品の分野にも進出している。
JTが多角化経営で事業を続けていくのなら、パチンコはどうすればいいのか?
「等価交換がいいとは思っていなかった。かといって1パチで16割分岐の営業でお客さんが来るかどうかは、半信半疑だった。5スロなら32枚交換ですからね。しかし、店長が客層を見て、是非やりたい、というので最終的には任せた。店長の読みはズバリ当たった」と話すのは低価交換で集客に成功しているホールの関係者。
年配客の多いホールでは、勝ち負けよりも少ない金額で長時間遊びたいお客さんが多い、といことを店長は肌で感じていた。
16割分岐営業を開始したときのお客さんの驚きは「こんなに回るのか!」だった。換金したときの金額の少なさよりも、回って遊べるほうをお客さんは選んだ。
16割分岐が成功した要因として、昔から貯玉再プレイを導入していないことも奏功した。
貯玉再プレイを導入しているホールで16割分岐を採用する場合、ネックになるのが再プレイの手数料問題だ。
行政指導により手数料が取れないとなると、再プレイで遊技されると売り上げが立たなくなるので、低価交換営業なのに、釘は等価並みになってしまい、名前だけの16割営業になってしまう恐れがある。
16割営業を行う場合、貯玉再プレイは使わないことが肝になる。
客が固定化すると機械代も極力抑えるようになった。
新台を買うこともなくなり、チェーン店移動の中古機が主体になった。そして、必要以上の利益は取らない営業方法を貫いている。
このホールの成功の噂を聞きつけて、10月下旬から16割営業をスタートさせたホールも出てきた。
「2軒スタートさせました。1軒は時間つぶしの高齢者が多い地区なので、まずまずの成果です。やはり回ることに驚かれています。もう1軒は地区自体にお客さんがいません。全国大手でも1割稼働ですから何をやってもダメです」
16割営業で成功するホールが徐々に増えることで、業界も大衆娯楽の原点に少しずつ戻ることができる。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。