パチンコ業界のメーカーは、本来のメーカーとしての役割を果たしていない、というエントリーに対して、現役パチンコメーカー関係者が重い口を開いてくれた。
メーカーの職種にも開発から工場生産、営業職まであるが、開発部に籍を置いている。
「確かに社会に役に立つものを作っている意識はありませんね。家庭用ゲームはハードとソフトを買えば、おカネはかかりませんが、パチンコはかかりすぎますからね。うちの開発メンバーはプログラム好きで、モノさえできれば満足しています。ユーザーがどう思おうがかまいません」
5年ほど前は開発のメンバーもよくパチンコを打ちに行っていた、というが、最近は学生時代に一度もパチンコをやったことのない者までが入社して来ているようだ。
「ユーザーから批判が多かった潜伏の意味すら知らないですからね。ユーザーの心の痛みが分からない若い子が多くなっている」と危惧するように頭は優秀かもしれないが、パチンコが好きで入ってきていないことも問題だ。
パチンコの大義名分の一つにストレス発散があった。小金を使って勝ったときにはスッキリしてストレス発散にもなった。
ところが、風営法では著しく射幸心をそそる機械をホールに設置してはならないのに、スロットの4号機、パチンコのMAX機が保通協を通ってしまった。4号機は合法的賭博機と揶揄されたものだ。その結果、裏モノが不要になったぐらいギャンブル性が高かった。
「おカネを遣わさずに長時間遊んでもらいたい機械を作りたい、と現場では感じ、現実との違いにギャップを感じて悩んでいます。毒になるものは作りたくありませんからね。疑問に感じた社員は辞めて行きます。パチンコ日報を読んで業界のことがよく分かった社員もいました。最近はパチンコメーカーに勤務していることが恥ずかしくて隠している若手社員もいますよ」
会社からは売れる機械づくりを厳命される。売れる機械=ホールが買ってくれる機械とは、売り上げが上がる機械だ。
売り上げが上がるということは、お客さんにどんどんカネを使ってもらわなければならない。そのためには、もうちょっとで大当たりがかかりそうだと音と光、ギミックの動きなどで錯覚させ、追加投資を促せる。
「パチンコが日本になかったら、借金で自己破産する人もなく、国民の生産性はもっと上がっていたかも知れない。そういう意味でもパチンコはやっぱり必要がなかったのかも知れない」とメーカー開発担当が猛省する。
何事もほどほどにしなければいけないもの。
メーカー側の人間も今のパチンコ業界はやり過ぎている、と感じている。
ホールが目指すのは4兆円の売り上げではない。今の遊べない状況で売り上げばかりを目指しても、自己破産予備軍を増やすことにつながるとしか思えない。
せいぜい3000円もあれば1日楽しめる時代が来てから、売り上げも目指せばいい。
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