2007年ごろを境に、大学は全入時代ともいわれ、入学を希望する学生の総数が定員の総数を下回る現象が出ている。
全国の大学約780校中、223校が定員割れを起こしており、私立大学では39%が定員割れの状態だ。特にブランド力の弱い地方の大学にその現象が顕著だ。
そういう状況で東京では名門の東京女学館大学が赤字を理由に閉校する、というニュースは大学関係者に衝撃が走った。
どんな産業でも若年層の新規ユーザーが育たなければ、業界に将来はない。
パチンコ業界の場合、若年層ユーザーを増やそうとするとアンチからは「パチンコ依存症を増やしてどうする。今の若者がパチンコをしないことは非常に健全なこと」と非難を浴びる。
確かに、業界人ですら「今のパチンコ(4円)はカネがかかりすぎて打てない」と1パチを打つぐらいだから健全娯楽とは大きくかけ離れている。ま、そんな状況は今に始まったことではないが、以前は可処分所得が高かったので業界は成長を続けてきた。
ところで、若年層のファーストパチンコは今やパチンコではなく、スロットに取って代わっている。
パチンコはスタートに入らないと液晶が回らないが、スロットはメダルを投入してレバーを叩けば確実にゲームがスタートする。効率がいい。
パチンコに比べて圧倒的に若年層が多いスロットは安泰かと思ったら、メーカーはそうは考えていなかった。
「消費税が10%に上がった時が一つの分岐点になる。おカネをあまり持っていない若者がカネが続かなくなるのではないか。おカネを持っていない年代に受けているようでは未来永劫続かない」と危惧している。
では、どういった層がスロットを打っているのか?
ある調査によると正社員の職業の人は少なく、夜型の飲食店などの仕事に従事している独身男性が、ヘビーユーザーであることが明らかになった。
現在主流のARTは朝から晩まで何時間も打たなければ勝てない。仕事帰りのサラリーマンが打てる仕様ではない。
そういう意味では、現在のARTブームも根無し草の一過性のものだろう。時間をかけるとはいえ、万枚では警察が求めているものとはかけ離れている。
サラリーマンが短時間でチョイ打ちでも楽しめるスロットの登場が望まれるところだが、そうした機械を開発中のメーカーもある。
年末から年明けには市場にお目見えするものと思われる。
低射幸性の機械で新規ファンを開拓することが業界の課題である。

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