
販売台数は18万台とも20万台ともいわれている。久しぶりの超大型版権に業界側の期待が現れている。
普段は新台に頼らない営業を標榜するホールでもAKBは買いだった。その積み上げが今回の販売台数につながった。

前田敦子の卒業公演は、27日の秋葉原のAKB劇場の「劇場入り」でフィナーレを迎える予定だった。それが、銀座で開かれたロンドンオリンピックのメダリストの凱旋パレードでの人出を目の当たりにしてビビった警視庁が、大混乱を理由に主催者側に指導が入り、前田を乗せた車で秋葉原周辺を走るイベントは急きょ中止になった。
そもそも、開発に着手した時に前田の卒業は想定していなかっただろうし、卒業公演最終日の27日をトップ導入にしていた京楽的には「そんなの聞いてないよ」。
店側としてはAKBファンをホールに呼び込みたいところだが、ヘタに宣伝すると広告・宣伝規制にひっかかる可能性もある。新曲入荷をチラシに謳っただけでも指示処分を出す所轄も出てきそうだ。
「メーカーがテレビコマーシャルで援護射撃してくれないことが不満。今回ばかりはテレビでやって欲しかった」(ホール店長)
ま、熱烈なAKBファンは当然パチンコになっていることは知っているにせよ、テレビでCMを流すかどうかで集客は大きく変わってくる。
宣伝したらしたで、18歳未満がホールに立ち入る可能性もある。こっちは広告宣伝違反の指示処分では済まない。営業許可取り消しの対象になる。
さて、現場ではこの期待の大型版権をどう使うべきか悩んでいる店長も少なくない。
市場を掘り起こすために、長期間甘めに使うか、ダメなら早目に外してすぐに転売するか、というところだろう。
ただ、毎週新曲が1曲ずつ発表されるので、12曲分、12週間(3カ月)は機械寿命が持つ計算が立つ。
ゲージは甘く、28玉交換でシュミレーションした場合、5.7回が損益分岐点という数字も出ている。
「辛めに使う意識が必要だ」と指摘する人もいる。
話は変わるが、毎週新曲が発表される、ということは機械にタイマー機能が組み込まれているからだが、メーカーは27日の解禁日まで電源を入れないように呼びかけていた、という。
それより以前に電源を入れるとリアルタイムクロック機能に狂いが生じるためだ。
そのため、いつもは新台を先行導入する京楽の直営店も今回は27日に合わせた、という。
業界のカンフル剤になる、ということは新規顧客の開拓につながることを意味する。その役割をAKBが果たすのかどうか。期待は高まる。

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