それによると、5月7日に発表した平成31年4月の型式試験は、パチスロ機の適合率は約15.2%と、上昇の気配を見せた先月から一転、再び10%台へと落ち込んでいたことがわかった。一方、パチンコ機の適合率は前月の約29.2%から約41.7%へと大幅に上昇、今年1月に記録した約46.8%に次ぐ水準となった。
遊技機メーカーは今の時期は新基準機への切り替えの特需にも関わらず、スロットメーカーは完全に商機から出遅れていることが如実にわかる。こんな低い適合率では、売ろうにも売る機械がない…。それが風営法議連の国家公安委員会に対する型式試験の適合率向上の提言にもつながる。
「パチンコの適合率は回復したが、スロットは全然ダメ。パチンコを主力にしているメーカーは今がチャンスだと思っている。スロット島をパチンコに替えるチャンスでもある」(メーカー関係者)
このメーカーの関係者の会社はパチンコもスロットも両方開発しているが、主力はパチンコであるが故にスロットの市場を奪うチャンスとして捉えている。
「全国大手でも地方のホールは若者の人口が少ないので、スロットが弱いホールもある。そういうホールはスロットコーナーを減少して1パチコーナーにしたい考えもある。ホールは年間の機械予算を計上している。税金の計算もしているので、予算を使いきれなかったからと言って来年に予算を持ち越すこともない。スロットが入らないのなら、パチンコを詰め込む。パチンコ側としては今が攻め時です」(同)
スロットの適合率が5月、6月でどのように上昇していくのかは、色々な意味で見どころである。適合率が上がれば先生たちの影響力が考えられるし、そうなれば参院選の協力体制も加速するというものだ。本当にこの二月の適合率は注目される。
ただ、スロットの適合率が再来年になって上がっても意味がない。
「スロットは若者、パチンコは高齢者と役割分担されてきている。ライトミドルは初期投資を抑え当たりやすいが爆裂はしない。たまに爆発してくれたらいい、という人たちに支持されている。スロットのARTは事故待ちで爆裂するのを待つしかないが、スロットでおカネが続かなくなった人たちの受け皿がパチンコのライトミドルになれば、パチンコだって高齢者の遊びではなくなる」(同)
来年はオリンピックに伴う入れ替え自粛も考えられるだけに、適合率が上がらないことには、メーカーの販売計画も立たない、というものだ。

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