パチンコ日報

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ホール現場でも起きている介護離職

都内のホールに勤務する40代のAさんの役職は副店長。このほど、会社に退職願を出した。社長はホールの要になっている人材であることから、引き止めたいと思っているが、理由が理由だけに簡単には引き止められない事情があった。

副店長の実家は岩手県。母親は要介護の認知症になってしまった。それ以前に父親が脳こうそくで倒れ、その面倒を母親が看ていたが、母親では任せられない状況に陥ってしまった。

有料の老人介護施設は満杯で、入居するには何年先になるか分からない。それなら、Aさんが実家に帰り両親の面倒をみるしかない。

いわゆる介護離職である。

ホールの社長は何とか思い止まらせる方法はないものかと考えた。東京へ両親を引き取るという方法は、Aさんの家庭の事情で同居できる状況ではなかった。

現在、年間の介護離職者数は約10万人といわれている。この事態を憂慮して「アベノミクス」第2ステージとして「新3本の矢」を打ち出した安倍首相は、「安心につながる社会保障」の中で「介護離職ゼロ」という数値目標を掲げた。

この直後、政府は「介護離職ゼロ」に向けた具体策の1つとして、首都圏で不足する特別養護老人ホーム(特養)などの介護施設を増やすために、国有地を貸し出す方針を打ち出した。

ところが、介護施設を増やしたとしても、そこで働く介護士がいなければ、十分なケアはできない。実際、仕事がきつい割には給料が安い介護士はなり手がいなくて、慢性的に介護士不足の状況が続いている。

そこで、社長が考えたのが、業界が作る特別養護老人ホームである。パチンコ業界の社会貢献として、寄付活動を行っているが、それよりも、業界がメーカーを含めてまとまれば、大きな資金も捻出できる。

「警察病院のようなイメージです。業界関係者は優先して入居できて、一般も受け入れる」

一つの成功事例を基に、全国各地に建設していけば、どんなに地域から喜ばれるか。最近のパチンコ業界は高齢者に支えられている。顧客だった人が優先されれば、恩返しにもなる。そして、介護職員には厚待遇で迎え入れる。

おカネの寄付では業界が貢献していることは見えないが、有形のものを運営することは社会からも認知されやすい。

ワタミが介護事業に参入して介護付き有料老人ホームを112施設も運営していた。ブラック企業問題から入居率が9割台から7割台に減っていたが、それでもワタミグループの中では稼ぎ頭だった。

本業の立て直し早期黒字化を図るために、優良事業だった介護事業を売却したいきさつがある。


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