創業者の父親は高級家具を会員制で販売する方針を貫いてきたが、売り上げが落ち込んできたために、娘は路線を転換。会員制を取りやめ、価格帯も見直し気軽に入れる店に舵を切ったが、売り上げが回復するどころか、赤字は膨れ上がる一方だ。
娘の方針転換は正しいものと思われた。大塚家具創業以来の大口顧客は、今や76歳となった勝久氏と同様に顧客の高齢化は進む一方だ。敷居の高い会員制では新規顧客も増えない。従って、久美子社長のやり方は正しいものと思われた。
しかし、久美子社長が狙った中間層の客層がいなかった。カッシーナのような高級路線かニトリやIKEAのような低価格の二極化だった。
勝久氏のやりかたはさしずめパチンコだろう。今や中心客がシニア層になったパチンコでは未来がない。若者が最初に始めるスロットはまだ先がある。こうしたことからパチンコとスロットの設置比率がいずれ逆転するのではないかよく言われている。
「スロットはパチンコに替わる一大勢力に近い将来なる。スロットメーカーは5号機ショックで随分鍛えられてきた。トヨタはハイブリッド車を普及させるために、特許を公開して無償で提供する。スロットメーカーも特許を公開すればスロットがもっと盛り上がる」(メーカー営業)
ホールでの設置比率を逆転させるために、スロットメーカーが狙っているのが4パチコーナーだ。1パチはそれなりに稼働があるが、4円の島はガラ~ん、としているのが実情だ。4パチコーナーを20スロで切り崩していく。スロットの設置比率が逆転すれば、店舗数が減ってもスロットの市場は拡大が期待できる。
「パチンコのボタンは演出のためだが、スロットのボタンはリールを止めるためにある。目押しという自分で揃える技量が必要なところがパチンコより勝っている。遊技性もスロットが勝っている。パチンコは釘の問題もある。そのために設定を付けたが、それならスロットだ」(同)
コンビニ業界は今やセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3大グループに集約された。スロット業界も競争の時代からグループ化による勢力の拡大を狙っている。

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