退職を暗に打診して、それを受けない退職者は、どうなるのか。
リストラの打診を受けた退職者の話は、ネットにたくさん掲載されていますから探して見て下さい。
リストラは、優秀な社員が転職を考える機会でもあります。
次は俺の番か?
そこまで会社はキツイのか?
あとこの会社は10年持つのか?
色々と考えているうちに、自然と転職を考えます。
実力のある社員ほど転職は容易ですからね。
また、この会社に残った優秀な社員や、普通の社員は、様々に資格を取るために努力をし始めた。
コンピュータ関連の資格勉強、通信教育や休日や会社が終わったあとに専門学校へ行き出しました。
ある30歳代の女性社員は、今の会社のネームバリューが高いため、当分は辞めないが、いつ何かあったら直ぐに転職出来るように幾つもの資格を取りました。
リストラは、一時的には効果がありますが、長期的には、負の面も出てきます。
会社の中が荒むのです。
この時に、経営者の手腕が問われます。
残った会社の社員のヤル気をいかに出させるのか。ヤル気を出す方法がうまい会社ほどリストラのあとの回復はうまくいきます。
過去、自動車メーカーのマツダが成功しております。
マツダはオイルショック時に、極度の販売不振に喘ぎ、住友銀行に救済されました。
その後1981年頃のファミリアが爆発的に売れ出します。
月に1万7千台前後もファミリアが売れに売れます。赤いファミリアXGは若者を中心に売れ、ハッチバックの代名詞に。
次はバブル期に、多チャンネル販売戦略をとり、これがバブル崩壊と共に戦略が崩壊。これは完全に経営陣のミス。
巨額損失を出してしまい、その結果、新車開発は凍結して、社員のリストラを実施。社内の空気は暗いものであった。
その時に、米国自動車メーカーのフォードが、マツダに手を差し伸べた。マツダ初の外国人社長の誕生である。
実は私の親しい友人達が、この二つのリストラを経験している。
当時から私はマツダには深い繋がりがあり、合繊メーカー勤務時代には、車両用シートの縫い糸担当として、全国の50%を担当していたので、広島のマツダ本社へは頻繁に足を運んでいた。
リストラ当時の話だが、顔見知りが一人二人と欠けていく様を見て、まるでお通夜のような社内だった。
もううちの会社も終わりか?と何度も思ったが、愛社精神が心を支えたと言う。
その反面、冒頭から書いている○万人リストラした会社は、お通夜のような雰囲気は全くないと複数の社員が証言している。
分析してもらうと、愛社精神がある社員は少なく、会社のネームバリューや、給与や福利厚生には魅力を感じているが、会社の体質や製品にはさほど愛着がないと言う。
つまりこの会社は、マツダの様な回復が出来る見込みは少ないようだ。
実際社員の多くの声を聞くと、これから会社の規模や売上や利益は拡大すると思っている人は、私が聞いた範囲ではゼロだった。
リストラした直後は、人件費を抑制できるから、一時的に利益アップにつながるが、問題はその先です。
優秀な社員が退職すれば、その後の製品開発に支障が出るし、リストラ後の処理を誤ると残った社員のヤル気が低下します。上巻で紹介したパソコンの話がそれで、優秀な派遣社員がやめたり、作業の効率が落ちたりするのです。
会社=甲
社員=乙
甲=ホール
乙=お客様
こうして考えて見ると、ここ数年のホールは、お客様をリストラしているように思えます。
つづく

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