首都圏の鉄道は風の影響を非常に受けやすい。特に京葉線や外房線など風の影響をよく受けて、運休しています。
地下鉄だからと言って安心は出来ません。あれは確か1978年でした。親戚が地下鉄東西線の南砂町駅近くに住んでおり、親戚宅に行った帰り、東西線が止まりました。当時はネット社会ではなく、後にニュースで運休した理由が分かりました。
地下鉄と言っても地上に出るケースがあるのですね。丸ノ内線は四谷で地上に顔を出します。東西線は、中野から三鷹まで地上を走り、荒川を渡る時に一時的に地上に顔を出して、長い陸橋を走ります。
その陸橋は確か1キロ以上あると思うのですが、その陸橋で東西線の車両が横転したのです。
トラックではなく、電車が脱線&横転事故を起こすなんて、当時は大ニュースでした。
横転理由は、竜巻でした。
記憶が確かならば、当時の東西線の車両の大半はステンレス製だったこともあり、通常の車両よりも軽かったのが横転理由だと報道されました。
このケースから分かるように、関空へ通じる海上陸橋の関西国際空港連絡橋は、全長が橋長3,750メートルもあるそうですから、ここを走る道路や鉄道は風による弱点があり、通行止めになります。ちなみに関西空港連絡橋は、国有不動産です。だから関西空港連絡橋の道路は国道481号。
話を戻します。
JR東日本は、様々なリスクを考慮予測の結果、計画運休を決めたようです。
そのリスクの一つが、台風の影響で乗客が駅から出られなくなった場合です。強風豪雨で駅構外へ出られなくなった場合、多数の乗客が駅構内に残ることになります。
駅によっては、乗客が溢れたり、ホームも大変な混雑になり危険です。また、駅構内から出られる状況を判断しても、お客様が帰宅出来ない場合、人道上の対応に迫られます。
東日本大震災の時に、首都圏の鉄道が運休。JR東日本では、各駅の構内からお客様を全員出したそうです。
全てのお客様を駅構内から《追い出した》のですね。
この対応は後に大パッシングになりました。追い出され、路上に溢れた人々は翌朝まで道に溢れたのです。
確か当時の石原都知事も批判していましたね。
次回同じような災害が発生した時は、各駅からお客様を追い出すことはないといいます。
ホームなどの安全性を確保してお客様を保護するのです。
つまり、東日本大震災を教訓にしています。
駅もホールも同じと考えてはどうでしょうか。
インフラの拠点として考慮した場合、ホールは駅よりもハンデがあります。
つまりホール企業に非常時、お客様を長時間安全を保証する覚悟があるかどうかです。
ホールが営業していて、閉店間際にお客様を追い出せない状況を考えてみて下さい。JR東日本は、一度は追い出しました。そして批判されましたから、今回は計画運休と言う方策をとりました。
突然運休したら、車内や駅に大勢のお客様が残ることになります。車内にはトイレもない。水や食料もない。
全域でこんなことになったら、ほとんど対応出来ません。お客様の安全確保が出来ないわけです。
駅だってごった返しになり、警備員の手配も出来ません。
それならば、早めに運休を決定して予告することが最善策になったのですね。
実際には、「20時に全線がストップしたわけではない」と友人は話しておりました。
各線に残っている乗客を予測しながら、各電車の乗り継ぎに配慮して22時くらいまで運行していた路線があったり、1本だけ車両ホテルにしたそうです。
なんども書きますが、今回はホールの営業時間外に台風のピークが来たので混乱はさけられましたが、閉店間際に強風が吹き荒れたらどうします?
強風が収まるまでホール内に留まりたいお客様が一人でもいたら、深夜までホール内で待機して頂く覚悟がホールにありますか?
留まりたいお客様を追い出して、万が一そのお客様が強風で怪我をしたらどうします。
亡くなったらどうしますか?
きっとワイドショーネタになりますよね。
覚悟がなければ、適切な閉店時間を決めて、早めに閉店した方がよいと思います。
東日本大震災の時に、こんなことがありました。
横浜でキャッツの公演がありました。
劇場ではJRが止まっていることをアナウンス。多くの観劇者は、劇場に留まりました。
鉄道は翌朝でも運休。
劇団四季は劇場をホテル代わりに解放しました。
そして、劇場スタッフだけでなく、俳優全員でお客様のお世話をしたのです。
水や食料の確保に、トップ俳優までコマねずみのように動いた。
これは、当たり前の人道上の対応です。
賞賛されるものではありません。
さて、皆様のホール企業は、どこまで覚悟を決めていますか?
終

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