その象徴的な出来事が2016年3月、サミーとユニバーサルが部材の共同購入会社「ジーク」2立ち上げたことである。販売台数が減少する中で利益を確保しようと思えば、機械代の値上げではなく、部材の大量購入などによって製造原価を抑えることが本筋でもあろう。スロットでは一番売れている会社同士がくっ付くのだから、購買力も他社を圧倒する。
部材を安く調達したら次のステップは、そろそろ1円専用機の登場だろう。
パチンコの新台が40万円、50万円する元凶は液晶搭載機だからである。キャラクターの版権料を支払った上に映像制作だけではなく、巨大なギミック開発も加わる。ここに莫大な開発コストがかかっている。
メーカーが新台価格を抑えられる方法は、まず、この開発コストがかかる液晶を搭載しないことだ。液晶非搭載でアナログ役物だけだと、機種によっては12~13万円程度で作ることも可能になる。液晶非搭載でも新台は40~50万円かかると思い込まれているので、倍以上乗せて30万円台で売っても安い、と感じる。
4円コーナーからのお下がりで1パチは成り立っているが、今後4円からのお下がりの絶対数が減れば、1円専用機が必要になってくる。液晶非搭載なら可能だ。
こうして、各社からアナログ役物機が市場に投入されて来ているが、では、客付はどうなのか?
長年液晶に慣れ親しんでいる客からすると、見栄えが悪いのか、地味すぎるのか、クソ台呼ばわりされながらも客付では液晶機に軍配が上がる。
アナログ役物機が受けない理由は一発機系の機種が多いことも挙げられる。元々一発機系はコアなユーザーに支えられていた機種で万人受けはしない。もっと、チューリップを活かしてゲーム性を上げるような一般電役機が望まれる。
昭和50年代初頭、チューリップ電役機でも射幸性が高いからと言って自主撤去したことがあった。特定の穴に入ると5個ぐらいのチューリップが何秒間か開いたり、閉じたりする。これが結構面白かった。当時は高いと言われた射幸性だが、今の時代にすれば可愛いものである。そんな感じのチューリップ電役機で夢中になれる機械の復活が望まれる。
また、インバウンド客の障壁になっているのが、液晶パチンコでもあろう。単純なアナログ機で玉が入ればチューリップが開くというシンプルな構造で、それに適度な射幸性が加われば、初めてパチンコを打つ人でもパチンコの楽しさが理解できる。セブン機では大当たりするまでそれが味わえないので、パチンコはつまらん、と烙印を押される。
何やかやと言われてもメーカーが液晶機を切り捨てることはできない。今後、液晶機は4円、アナログ機は1円とカテゴリー分けされていくかも。
アナログ役物や7セグでコストのかからないヒット機を出すことが各メーカーの大命題である。それが今後の低貸し営業のカギを握る。

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