①今売れる機種を作れ
②ホールが儲かる機種を作れ
③台数がはける機種を作れ
それらを限られた時間の中で完遂しなければならない。しかし、今の機械作りの延長線上では、新規客の開拓はできない。射幸性が低くても遊んでもらえる機械は、今の客層と総入れ替えするぐらいの覚悟が必要になってくる。
「初心者向け? われわれはそんな悠長なことは言ってられない。来年売れる機種を作らなければならない。目先のことだけで精一杯。ウチは挑戦する社風ではない。でも、遊技人口減少に歯止めを掛けたい」(メーカー開発)とジレンマの中で日々の開発に追われている。
ここから話は一転、機械代の話に移る。
メーカーはホールが機械代で汲々として「機械代を下げろ」と言っているにも関わらず、まるで他人事のようだ。
「下げることも考えたことはあります。でも、安くしたから販売台数がアップする時代でもない。30万円で数社が出したら売れるかもしれませんが、メーカー全社が値下げしたら弱小メーカーは潰れてしまいますよ。今、新台は40~50万円ですが、値上げしたことで機械の原価は下がっています。最低5000台でも利益が出るようになっています」(同)
改めて値下げする思考回路はないことが分かった。確かに安売りをして倒産する会社はあるが高値で売って倒産することはないので、ある意味正しい。
機械代が下がらない理由は、ホールが「高い!」と文句を言いながらも買う。この一点に尽きると言っても過言ではない。メーカーがそのことを一番よく知っている。
遊技台はスペックだけでは当たるかどうかは、市場に出してみなければ分からない。ヒットした機種のスペックを真似ても当たらないことは往々にしてある。年間何百機種の新台がリリースされてもヒットするのは、ほんの一握りだ。メーカー期待の大型版権でもコケル。
ということは、ホールは最初からハズレ機種と分かっていながら機械を買っているようなものだ。
9割以上は使えない台を設置していることが現状の悲劇を生んでいるともいえる。
海物語のように長期稼働が見込める機種なら、最初から甘く使えるが、そうではない9割以上の機種は、稼働が望める初週から閉めて回収モードに入る。この悪循環がもう何十年にも亘って続けられている。
ホールもそれが客飛ばしにつながることを分かっていながらやり続ける。
パチンコの新基準機からはいよいよ役比モニターが搭載されている。ホールがベースもスタートも触らずに運用したらどうなるのか?
ハズレ台を回収モードで使うのではなく、普通に使ったらどうなるのか? 案外いい結果が残せるかも知れない。
負の連鎖を断ち切るためにもつながる可能性のある役比モニターに期待したいところだ。

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