喫煙室の金額を調べてみると換気装置も付いて安いもので40万円代からで、高いものになると250万円以上になる。
「うちで調べたのは3~6人が入れて70~80万円タイプでした。それを考えると外に灰皿も考えましたが、真冬に外に立たせるわけにはいかないので、やっぱりホール内に喫煙室を設けるしかありません」(弱小ホール関係者)
では、実際のホール規模に則して、どのぐらいのものが必要なのかを業界の設備機器関係者に聞いた。
「弱小ホールを300台の低玉貸し専門店と仮定します。台粗利1,000円×300台×年間340日営業=年粗利は約1億円となります。この規模の喫煙ブースは1台2~300万円程度です」
喫煙所の設置は全ホールが行う同条件、すなわち年粗利はほぼ同等に確保できると想定している。喫煙ブースを設置しなければ「完全禁煙」となり、喫煙客層を大幅に失う可能性を想定している。
「喫煙客層の売上並びに粗利ダウン率を30%と仮定すると、上記の年粗利は7,000万円になってしまいます。もしかしたら、この仮定以上のダウンになるかもしれません」
喫煙室を「やらされる設備投資」の意識が強いと、購買額が異様に高く感じたりするものだ。もちろん少しでも安く買う努力は必要である。
集客を維持するためにマンガ本を取り揃えたり、マッサージチェアを設置したり、時代の変化に適応しているのと同じ位置づけが喫煙室となる。
「『完全分煙』はむしろ非喫煙者の新規取り込みが期待できる前向きな施策、つまりお釣り以上のものが来ると考えるべきです」
喫煙室が必須アイテムになるにしても、新たな設備投資はできるだけ安く抑えたい、と考える中で、ホール関係者が閃いたのが全日遊連で、喫煙室を共同購買することだった。
喫煙室のタイプを数種類に分け、ホールの注文を取りまとめてメーカーへロット発注すれば単価が下がる。
設備機器メーカーは、全くモノが動かない状況の中で、喫煙室という新たなビジネスチャンスも生まれる。パチンコ業界では副流煙対策で分煙ボードやエアカーテンを商品化してきた業界である。既製品を販売するだけでなく、オリジナル分煙室も考えていることだろう。

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