騒音について全日遊連もメーカーに働きかけ、ボリューム調整できるようにしたが、全メーカーが対応しているわけではない。
そこで全日遊連は4月18日、日工組と日電協に対して「遊技機の音量及び光量の調整機能について」と題する要望書を発出した。
全日遊連が腰を上げた理由は遊技ファンを対象にしたアンケートだった。それによるとパチンコホールに対する大きな不満の要因が「遊技機の音量」だった。中でもホールの中心ユーザーである40歳以上の中高年者からは「大きすぎる音」と「眩しすぎる光」を不快とする傾向がみられた。
そこで全日遊連がメーカー団体にお願いしたのが、ホールやお客が自由に遊技機の音量と光量を調整できる機能を統一したルールの下に搭載することだった。
この要望を受けてパチンコメーカーの関係者はこう話す。
「現在、すでに音量や光量の調整ができるメーカーはすぐに動けますが、何も付いていないメーカーは時間がかかると思います」
騒音については従来から問題視されていたが、殺人光線に踏み込んだことは前進だろう。
では、メーカーは不評にも関わらず、殺人光線を改めなかった理由を関係者がこう打ち明ける。
「今、質を落として機械代を下げれば、ショボい機械となって、ますますお客さんは打たなくなり、結果的には客離れにつながる。特にシリーズ作は前作よりもどんどん派手にしていかないと、売れないし、お客さんも打たない。それがエスカレートしたことは否めないがシンプルなものを作る考えはありません」
ホール環境といえば、大騒音、眩しい光、タバコの臭いと煙、とマイナス要因だらけだ。本来、新規客を開拓しようと思えば、マイナス要因を取り除くことから着手しなければならない。
スマホゲームで躍進を続けるガンホーの森下社長は、客から飽きられない対策を次のように話している。
「昔、サイレントマジョリティは何も言わないでその店から去っていきましたが、今のサイレントマジョリティはSNSやブログを通じて不満の声をガンガン挙げています。これを1年365日、24時間見ながらパズドラのデザインやシステムを絶え間なく変えています。これがお客さんに飽きられないようにする対策です」
一方のパチンコ業界は客からの不満に耳を傾けることが少なかった。騒音問題はボリュームを付けることで対策の一つとはしているが、それでもウルサイ店内環境であることには変わりはない。
パチンコ業界の客が減っているのは、パチンコ業界は客の声を無視しているからである。客がその台をどのように見ているかをネットでも発信しているのに、一切無視している。それがパチンコに興味を示さなくなった理由でもある。SNSでもパチンコが話題になることもなくなった。
パチンコ日報のコメント欄にはユーザーからの不満が宝物のように転がっている。業界首脳陣にはコメント欄を一から読み返すことをオススメする。集客を図るための業務改善のヒントはごまんと隠されている。

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