バラエティーコーナーは閑散としていた。周りに客がいないのでおっさんも気兼ねなく足を投げ出していた。
おばさんはおっさんの風貌が怖くて直接「足をどけてください」とは言えないので、店員に用件をお願いした。
すると、スタッフは「こちらのお客さんがこの台を遊技したいとおっしゃっているので、足を引いてもらえませんか」と男性客にお願いした。
おっさんはおばさんの方を睨みつけ「いちいち従業員に俺のことを言いつけるんじゃねえ」と凄んだ。
現場には気まずい空気だけが流れた。おばさんはいたたまれずその場を去った。
いうまでもなくスタッフの対応一つで2人のお客さんの気分を害するようにしてしまった最悪のパターンである。
今回のケースは例えば、電車の中でよく見かける光景にも相通じる。
電車の中で小さな子供が靴を履いたまま座席に上がり、車窓の風景を見ていた。それを第三者の男性が「靴は脱がせましょうね」と優しく注意した。
すると母親は「このおじさんに怒られるから」と子供の靴を脱がせた。まるで注意した方が悪人のような印象を子供にも与える。本来親が電車に乗った時は靴を脱いで座席に上がることを躾ないことが悪いのに、第三者に責任転嫁する。
で、前出のホールではスタッフから報告を受け、今回のケースについて、ミーティング方式ではなく、個別に対処方法を聞いてみた。
アルバイト、正社員12名中、10名がトラブったスタッフと同様に「こちらのお客さんがその台を打ちたがっているので」とお客さんが言っているから、足を引いてもらえないか、とお願いする方法を選択した。
ミーティング形式ではこんな結果にはならなかっただろうが、個別の意識ではほぼ全員がトラブル対処方法を選んでしまうことに愕然とした。
恐らく、接客マニュアルの中にこうした場合の対処方法というのがないからこんなことになったのだろう。
さあ、貴店の場合ではどう対処するか、ケーススタディーの一環で接客教育の題材にするなり、コメント欄で対処方法を書き込んでいただければ幸いだ。

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