パチンコ日報

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第三者の手を借りて集客して、設定が分かって止めるセミプロは増やしたくない

この4月に人事異動で店長として着任した店舗は駅前の小型店舗だった。総台数は200台を切っていた。

会員管理システムを導入している。それによると会員の8割が60歳以上の高齢者で占められていた。20代の客は8%ほどしかいない。

駅前ながら新規客は1カ月で5人も増えたらいい方だ。この状況に新任店長はすっかり自信をなくした。

「10年後は絶対ないです。10年後にお客さんが半分も残っていないでしょう。高齢者が8割とは酷い。なぜ、こうなるまで手を打たなかったのか。40~50代が来ない地域。せめてその層を開拓したいが何をどうしたらいいのか、さっぱり分からない」

高齢者の客層に、出てくる言葉はネガティブなものばかりだ。しかし、これがパチンコ業界の縮図だ。

一方で若年層開拓にはスロットのイベントが頼りになる。しかし、イベント規制は厳しさが増すばかりで、イベント会社に頼めばコストがかかる。

そこで自社で取り組むことにしたホールがある。

「ユーチューバーの育成と動画編集を教えてくれて、それを自社のオリジナルコンテンツにしませんか、という営業マンが来たので、その話に乗りました。第三者を装ったユーチューバーを育成して設定を推測してもらう内容の番組を作るつもりでしたが、これが詐欺話でおカネだけ持っていかれました」(被害者ホール)

スロット集客はどうしても、イベント頼りなるが、それはどんどんホールの信頼をなくしていることでもあるが、現場はそれに気づいていない?

つまり、店の信頼で動くのではなく、イベントの信頼で動く傾向がある。しかし、他に手がない店長はイベントに全振りしていく。一度手を出したら止められない麻薬と同じようなものだ。

ぱちんこ広告協議会の所属企業2社がゾロ目イベントが自主規制される中で、あえてそれを敢行しようとした。YouTubeで新たな媒体を立ち上げ、ゾロ目の日を告知する内容。スポンサーの店舗がイベントをするのではないか、と想像させる。よって、イベントをしなくても、集客できる「安全な商材」を謳い文句にしていた。

さすがに、ゾロ目イベントの抜け道との批判を受けて中止に追い込まれることになるが、大手ホールがこの企画に乗っていたことに驚かされた。

「ウチは一番コンプライアンスは守っていますが、本音で言えばコンプライアンスは守るか破るかの二者択一。破るなら徹底的に破りたいですよ」(ぱちんこ広告協議会メンバー)というように不協和音も聞こえてくる。

本来、イベント会社はクライアントを盛り上げるのが仕事であるが、「射幸心」の高い壁がある。自社で告知できなければ、集客はイベント会社に任せて「設定が分かって止めるセミプロは増やしたくない」(ホール関係者)というのが本音でもあろう。


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