筆者に直接「業者を紹介して欲しい」という電話が何本かあった。電話口の先の真剣度が伝わってきただけに、ネタあかしをした時の落胆ぶりはなかった。
では、2014年度版はどんな内容だったかというと、中国内陸部の200万人の都市に中国共産党直営の500台規模のホールが営業を開始した、というニュースを建物の写真付きで紹介した。
ちょうど、ダイナムが香港市場に上場したこともあり、中国でもパチンコが注目されていることなどが重なった。共産党幹部のコネクションを使えば、中国進出も可能、ということで電話が掛かってきた次第だった。
少子高齢化で縮小傾向の日本市場より、可能性しかない中国に活路を求めるのは経営者なら当然考えているところに、うまく嵌った。
話は変わる。
日報でエイプリルフールネタではなく、去年、パチンコメーカーが電気自動車市場へ参入の意欲を持っている、というエントリーを2本ほど書いている。
ここからが本題だ。
関西で10店舗ほどのホールを経営しているオーナーが、中国の電気自動車メーカーの投資話に乗ったのはいいが、1億5000万円を丸々やられた、という話だ。
オーナーは孫にホールを継がせる気はない。20年後のパチンコ業界がどうなっているか分からないからだ。ホールを継がせる気はないがちゃんとした会社を継がせたい、との思いが電気自動車だった。
出資話は中国に住んでいる朝鮮民族系の知り合いからもたらされた。
中国・北京の大気汚染はPM2.5の影響で健康被害が心配されるレベルで、北京オリンピック開催時には工場の操業を止めたり、車の通行を制限して、人為的に青空を作り出した。
そこで中国政府は、自動車メーカー各社に電気自動車の開発を一定の割合で義務付ける新エネルギー車政策を打ち出したのが昨年9月。これで、日本のメーカーも含め自動車の主役はガソリン自動車から電気自動車へシフトする流れができた。
こうした流れの中で、中国の電気自動車メーカーへの投資話が舞い込んで来た。仲介人は実車を見ているが、オーナー本人は現地へ行くこともなければ、実車も見ていないが、電気自動車の将来性に賭けた。
1億5000万円を投資したところで、仲介者からの連絡がプツリと途絶えた。騙されたことが分かった。弁護士と相談したが被害届を出すのを留まった。その理由はオーナーが外為法違反で逮捕される恐れがあるからだ。日本から海外の銀行口座へ送金する場合、3000万円以上は報告が義務付けられている。オーナーが犯罪者になれば、ホールの営業許可取り消しにもなりかねない。
今回は詐欺に引っかかったが、正式なものであれば、未だに中国の電気自動車メーカーへ投資したいという気持ちは微塵も揺らいでない。

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