中毒とはまた人聞きが悪い。
本来の意味は「毒に中(あた)ることから、生体に対して毒性を持つ物質が許容量を超えて体内に取り込まれることにより、生体の正常な機能が阻害されること」を指す。
急性アルコール中毒、薬物中毒、ニコチン中毒、食中毒、一酸化炭素中毒などが一般的だが、依存することにも中毒という言葉が使われる。
ゲーム中毒、ネット中毒、買い物中毒などがそれで、熱中する様を中毒とも呼ぶ。
AKB商法でいえば、握手券や総選挙の投票用紙付きCDを買わせることによって、CDの売り上げを伸ばしてきた。熱狂的=中毒的ファンは1人で数百万円分のCDを買ったりする。
一方のパチンコは射幸性を上げることでパチンコ中毒症を生み、それが売り上げアップに貢献した。
どんな商売でも客を中毒にさせることが売り上げを上げる常套手段ともいえる。ただ、中毒は語弊があるので「顧客満足」「顧客感動」等に置き換えて、リピーターを増やす努力を各企業は行っている。
「AKBは1人では売れない少女を沢山集めて集団で勝負しているが、パチンコでいえばバラエティーコーナーがそれに当たる。飲食店でも繁盛している店は単品勝負するが、流行らない店ほどメニューが多い」(同)
なるほど。1人では勝負できないから寄せ集めで、グループとしての魅力を高める。パチンコでも不動の人気コーナーはボックスで、抱き合わせで仕方なく買わされた機械がバラエティーに行く運命にある。
「食べログは自分がいつも行っている店なら書き込みたくなる。皆が評論家になってヒットした。AKBの総選挙は食べログにも相通じるところがある。自分が推している子が自分の投票で上がって行くのが目に見える」(同)
ここからが教授が一番業界に伝えたいことだ。
「パチンコ業界の客が減っているのは、パチンコ業界は客の声を無視しているから。客がその台をどのように見ているかをネットでも発信しているのに、一切無視している。それがパチンコに興味を示さなくなった理由でもある。SNSでもパチンコが話題になることもない」
日報でも散々殺人光線や音、年寄りが狂気乱打するボタン問題などを指摘する。そんなものをユーザーは求めていない、と。
改まるどころか指摘とは真逆の方向へまっしぐらだ。ホールは派手な機械しか買わない、と。しかし、それを打つのはユーザーであることをメーカーは無視している。
「パチンコ業界が話題になるとすれば、法律で決められる前に、業界が全店禁煙をいち早く発信することでしょう。これも二番煎じでは話題にならないので、どこよりも先に発表することです」

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