パチンコ日報

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負けている常連客にいかにして還元するか

「0号機の時代はリレー基板で、そもそも保通協試験もなかった。この時代はリレー基板に配線を走らせて遠隔も行われていたが、それは、客に還元するためのものでした。3万円負けているおばちゃんにそのまま帰らせたら悪いから2万円は出す。3万負けたと思っていたら、2万円取り戻せた。1万円の負けでも、2万円取り戻せたことでニコニコしながら帰る。それなら、また明日も来ようと思う」(元スロットメーカー役員)

遠隔を擁護する気はないが、遠隔装置が開発された経緯は大負けした人の補てんの意味合いがあった。

風営法の罰則規定の厳罰化で遠隔は即営業取り消しになるために、影を潜めた。今は会社を潰す様な危険な真似をする経営者はいなくなったが、負けている客に何らかの形で補てんしたい、と考えるオーナーもいる。

それは月2回と決めていた。

昔からの常連客で本当に口の堅いお年寄りを厳選して、還元していた。

きっかけは機械販社からのこんなアドバイスだった。

「遠隔がダメならサクラで還元してはどうか」

その話にオーナーは乗った。

昔のパチンコ店は有人島で出ていない常連だと、チューリップに玉が入っていなくても玉を出した。負けっぱなしにさせでは行けない。そんな記憶が蘇ってきたからだ。

手掛かりにまず、オーナーの気心が知れて、負けが込んでいる常連客からスタートした。

「これは特例ですからね。絶対誰にも言わないでください。みんなに広まるとこの特例サービスができなくなりますからね」と釘を刺した。

設定を入れた台、釘の開いた台をこっそりと教えて打たせた。

やがて、サクラは店長にも引き継がれ、還元する常連客を徐々に増やして行った。

常連客のサクラを始めたのは20年ほど前のことだったが、つい最近まで続けられていた。

随分と長い期間続いていたが、やっと止めることができた。それはベラジオの一件が発端となった。

「いつか止めよう、止めようと思っていた。全国区になるニュースをこんな田舎から発信したら目も当てられないことになる。常連さんに事情を話したら納得してくれた」(関係者)

サクラが何人いたかは定かではないが、相当数いたらしい。田舎のお年寄りだったので口の堅さは折り紙済みだった。

この話が漏れてきたのは最初に提案した販社からだった。

今度の出玉規制に関する風営法改正は悪いことばかりではない。

現行の保通協試験で短時間、中時間試験の出玉の下限はパチンコ、パチスロ共に設けられていなかったが、改正案では1時間試験では33%、4時間試験では40%の下限が設けられた。つまり、飲み込まれるばかりではなくなったということである。ということは少ないおカネでも遊べる仕様になるということである。

サクラを使って還元しなくてもよくなるはずだ。


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