この先、パチンコ業界の先行きは不透明である。先日発表された改正風営法の案では4時間打って最大の儲けが現行の10数万円から5万円以下に抑えられる気配だ。
1パチ、5スロの低貸しが主流になる中で、店舗の老朽化で建て直す時期に来ている店舗を立て直すこともできない。さらには低貸し主体で拡大路線を続けるべきかなどを悩んでいる。実際、拡大路線の一環で、土地勘のない都心部へ超大型店を出店して、ランニングコストだけでも他の利益を食っているケースもある。
また、都心部で、テナントで入っているケースでは、契約切れで撤退を余儀なくされている。出て行くときは原状回復にかなりの費用を要するが、建物をぶっ潰してビジネスホテルに建て替えるケースでは、原状回復工事費用がチャラになった、と喜んでいる。
かつては界隈にはトータルで10店舗ほどのホールが営業していた大阪・道頓堀から昨年7月、完全にホールが消えてしまったように、今やパチンコは儲かるビジネスではなくなってしまった。
今から37年前、フィーバーの登場で台売りが一気に10倍に膨れ上がって以来、長らくパチンコバブルが続いていたが、バブルとはいずれ弾けるものだ。
2世オーナーはバブルの売り上げが当たり前の時代に業界に入ってきたので、今の衰退ぶりを受け入れられないが、本来の姿に戻ってきただけでもある。
「営業許可が売れた時代もあり、それが一つの財産だったが、それも通用しなくなった」(オーナー)とため息を漏らす。
もはや、大手同士が潰しあいをしている時代でもなくなってきた。大手といえども苦戦しているホールは必ずある。自由競争を加速させたのは大手だろう。組合の自主規制を反故にして来たのが大手でもあった。
「台数規制は今さらできないが、せめて店休日は申し合わせで復活させたい。そうでもしないと従業員もまともに取れない」(オーナー)
店休日が決められていた時代は、半休日には普段よりも稼働が上がったものだ。ある程度の自主規制を復活させることが共存共栄にもつながる。そのための協同組合でもあったはずだが、組合の機能も有名無実化いている。
一方で、ことしはホール企業のM&Aが加速する年にもなりそうだ。ホールの購買力が増せば台数値引きにも応じなければならない。メーカーもいつまでも強気の商売はできない。
購買力が増すホールがある一方で、全体的にはホールの買い控えはより先鋭化する。そうなれば、高い金額で買ってもらうこともできなくなる。40万円越えの値上げで、してしっぺ返しを受けたメーカーは、気が付けば豊丸よりも下のポジションに収まっている。
メーカーも新台を買ってくれるホールだけを相手にする、という考え方をそろそろ捨てなければならない。

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