ヤマダ電機が郊外店舗を次々に閉店して行く中で、郊外店舗のことが話題になった。
「モータりーゼーション時代の遺産が、郊外で閉店しているパチンコ店。閉店後は他の業種の転用も効かず、廃墟になっている」とセミナー講師はパチンコ業界は門外漢だったが、パチンコの話が出た。
「昔は若者が車を買ったから郊外のドライブスルーが流行った。マクドナルドの郊外店はドライブスルーの利用客のために渋滞が出来た。今の若者は車を買えない、買わないのでドライブスルー時代に流行ったものが廃れている。郊外の飲み屋は代行代が払うのがもったいなくなって家の飲みになって廃れた」
パチンコだけでなく郊外店舗が廃れる原因は、若者の車離れがあることを指摘する。人口減少に加え、若者が車を持たなくなれば、郊外店舗が廃れて行くのは自然の摂理ともいえる。
では、郊外店舗はこのまま廃れるのを待つのか?
「これからは待ちの商売から、お客さんの所へ出向く時代。移動歯医者、移動スーパーなどが注目されています」
この話を聞いて、ホールオーナーは不安になってきた。ホールオーナーの店舗も郊外店舗だったからだが、かといって市街地へ出店する体力もない。
思わず、講師に質問した。
「郊外でセブンイレブンを2店舗経営していますが業績はいいんですが、コンビニもダメになるんですか?」
「コンビニも飽和状態ですが、コンビニには商品だけでなく、プラスアルファがあります。それがトイレです。トイレが利用できるから郊外店舗は便利です」
トイレと聞いて、ホールもトイレ利用のために立ち寄る人も少なくないが、子供は利用できないイメージが定着している。
オーナーはパチンコ店のことで、もっと突っ込んだ質問をした。
「私はパチンコ業界のことは分かりません。やったこともありませんが、改善する余地はたくさんあると思います。まず、パチンコ店は中がどうなっているか分からない。初心者を開拓するにはそういうところから払しょくする必要があります。パチンコが楽しいイメージが浮かばないとやらないでしょう」
話を郊外店舗に戻した。
「郊外店舗は大抵がガラガラです。ガラガラの駐車場を見て判断するので、ガラガラの駐車場は出ていない、と判断する」
講師がオーナーに逆質問した。
「お客さんを増やすためには何が必要ですか?」
「出玉感です。たくさん玉を出している人を見ればお客さんは増えます」
「出玉感は店の中に入らないと分かりません。そこがダメです。ガラガラの店は駐車場を見れば分かりますから、店内に入るきっかけすら作っていません」
駐車場といえば、車客しか思い浮かばないが、講師の考え方は違った。
「近所の自転車客が来るような口コミが必要です」
パチンコ業界のことは全く門外漢の講師だったが、発想は参考になるものがいくつかあった。
出玉は店内に入らなければ分からない、という一言がオーナーの脳裏から離れなくなった。

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