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さる6月16日に回胴式遊技機製造業者連絡会において、パチスロのベースメーター(役比モニター)の内蔵を義務付けることを決定し、来年10月1日新台設置分より実施することとなった。
昨年来パチンコのベース「検定と異なる恐れのある遊技機」問題に端を発して、
本年末までに該当するすべてのパチンコ台を撤去するまでに至った。
たしかに一般賞球を極端に減らし、それで時間あたりの遊技客の消費金額を増大させたことは大問題であり、メーカーはもとよりその不正機を設置して営業するホールの責任は重大だ。
この賭博性の高いパチンコがお客の“のめり込み”を誘発させ、いわゆる「パチンコ依存症」といわれる社会問題にもなって、本年4月27日衆院の内閣委員会でこの問題が取り上げられ、不正パチンコ機とパチンコ依存症とを関連付けて討議されるまでに至ってしまった。
このとき質問に立った民進党の高井崇志議員は、政府に対し、検定と異なる遊技機の排除を目的として、営業しているパチンコ台が検定機を受けた適正なものか否かを確認できるメーター(自動車のスピードメーター)のようなものをパチンコ台に取り付けてはどうか、と提案した。
答弁した河野国家公安委員長や警察庁生活安全局長は、何らかの対策は必要だがメーターについては特に言及がなかったのだ。
しかし、はじめに述べたように6月に入り急転直下このメーター搭載を義務付けることになった。
もちろん、“不正機の防止”という観点からすれば良いことであり、行政指導としてあっても不思議ではない。
ご当局の指導の下で業界上げて不正機排除の手段として、遊技機にメーター搭載は異論の挟む余地のないところであろう。
しかし、国家がそのことを義務付けをすることに従って、新たに個人の工業所有権(特許)の使用料が発生するということはいささか合点がいかないのだ。
実は、この遊技機に搭載しようとする「役比モニタ」をあるパチスロメーカーの特許ということがその後に判明している。
ということは、つまり、そのメーカーに特許料を支払わなければ商品にできないということを、行政当局が後押した形となる。
また、FACTAという情報誌によるとその特許を持つメーカーのトップとパチンコを規制する側の警察庁前課長補佐と「蜜月の密会」として、6月23日に飯田橋の居酒屋で会席していることの詳細がスクープされたが、これも極めて不可解なことだ。
これらの情報が事実とするなら“不正対策”と称して、その手段をあらかじめ特許出願し、それを法律に準ずる効力のある当局の行政指導という名のもとに組込ませ、以降業界のすべてに義務づけさせれば、すべて特許または著作権使用料として徴収できるという、まことにおいしい商売ができる仕組みになる。
当然、個人の知的所有権を守り尊重し、その上で自由競争を促し、社会や経済の発展をしていくことは社会にとって大切なことです。
しかし、近年のパチスロ業界では、その知的所有権をあらかじめ確保しておいて、実質のビジネスにおいて行政(警察)指導の名の下に自主規制と称し、個人利益を独占しようするという事案があまりにも多いのだ。
規則に定めるリプレイ、回胴停止速度、告知、1ゲームの遊技時間、ボーナスランプ、AT、ゲーム進行と画像表示の関係等々さまざまな特許や実用新案が、遊技機規則と重なることが多い。これまでに数百億円の特許侵害事件としてパチスロメーカー間で紛争されてきた。
行政に言いたい。我が国は“法の下の平等”である。
警察庁も行政指導で規制をするときは、その規制が個人的な利益に加担してはいないだろうか?というような考慮は少しでもしてほしいものだ。
機械代が高騰し、結果的にお客から搾り取ることになる。
業界の貴兄に申し上げます。ご当局の規制や行政指導を汚いやり方で我が利益とする手法はそろそろやめた方がいい。
やめれないなら、ご当局も優秀な方々でしょうから、個人利益につながるような規制や指導にならないように配慮して頂きたい。
国の規制を利用した悪質な工業所有権などを主張する者には、ぜひパチンコの父といわれる正村竹一やインスタントラーメンの父である安藤百福さんのような慈愛精神を持った先人の爪の垢でも煎じて飲んで頂きたいものだ。
本来、ベースメーターはパチンコが率先してやるべきものだ。

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