ゴルフ業界も20~30代の新規ユーザーの創出が大きな課題となっているが、20代がゴルフに使える金額は月額金額は900円だという。これは総務省の2014年全国消費実態調査に基づいた額だった。
「単身世帯の勤労世帯での1カ月の収入と支出」の中で、30歳未満で年収300万~350万円の人のプレー料金を含めたスポーツ費は平均「887円」とあった。これでは打ちっぱなしの練習にも行けない金額である。
ゴルフは道具を揃えるにしても、練習するにしてもおカネがかかるスポーツで、コースに出ようと思えばゴルフ場へ行く車も必要となり、20~30代がゴルフを嗜むにはいくつものハードルがある。
そこでゴルフ業界も費用のハードルを下げて、とにかくゴルフを始めるきっかけづくりを始めている。
60歳以上のシニアプロの大会「ゴルフパートナーカップ 日本プログランド・ゴールド選手権」の会場で行われた無料の「はじめてのゴルフレッスン会」「初心者ゴルフレッスン会」には、2日間で450人以上が参加した。
50代以上の参加者は「夫が定年を迎えた後に夫婦でゴルフができたら」と一念発起した主婦が多かったが、30代の参加者からは「前から興味があった。クラブを1本もらったので打ちっぱなしにでも行きます」という声があった、という。
ゴルフ用具販売のゴルフパートナーは2014年8月から、ゴルフ初心者に店舗で7番アイアンをプレゼントする企画を始めている。1年ほどで5500人以上が受け取り、うち52%が自腹で何らかのゴルフグッズを購入し、32%がクラブを買っている。この数字が高いか低いかは別にしても「20代、30代が多い」というから、「900円」世代にもゴルフへの欲求は感じられる、という。
同店が若い人にアンケートを取ったところ、初めてゴルフをしたきっかけは、100%が最初はゴルフをしている人に連れて来られている。費用面だけでなく、連れて行く人が何よりも重要であることが分かってきた。
最後はゴルフの楽しさを伝える先輩ゴルファーの「協力」が、新規ゴルファー創出の大きなカギを握っているとのことばで締めくくられている。
ゴルフとパチンコはおカネがかかることと、最初に経験者に連れて来てもらわないと一人では始められないことなどが似ている。新規ユーザーを取り込むために無料でレッスンをしたり、無料パチンコ開放も似ている。
しかし、パチンコのハードルはゴルフに比べるとかなり低い。
道具を揃える必要もないし、車がなければホールへ行かれないこともない。
パチンコ客が離れて行くのはおカネがかかり過ぎることだ。サラリーマンの小遣いを考えれば、パチンコ代に使える金額は月に3000円程度か。サラリーマンの小遣いで十分遊べるレベルまで引き下げないとサラリーマンは戻って来ない。
さらに、パチンコ業界に従事している業界人がパチンコをやらなくなったことを考えると、新規ユーザーが増えるはずもない。
やはりパチンコ業界もパチンコの楽しさを伝えることができる先輩ユーザーがカギを握ることになる。その前に本当に楽しいパチンコに戻すことが先決問題だ。

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