その美容院が業績を上げるために大手コンサルを入れた。
その手法はまず、宣伝に力を入れることだった。美容院のオーナーにすれば、カネをかけずに業績を上げて欲しかったが、まず、知名度を上げるために広告宣伝費をぶち込むことだった。
スタッフの技術力をアピールしたかったのだが、コンサルにすれば二の次で、まず、知名度を上げることに拘った。
「手先の器用なスタッフをアピールするにはどうしたらいいか?」と聞いたところ、こんな答えが返って来た。
「コンクールに出たことはありますか? それで賞を取っていたら、それをチラシにも謳ったらいい」
なんか、誰でも思いつくような答えでガッカリした。
コンサルが知名度の次に拘ったのがクリンネスだった。
ところが、この美容院はクリンネスが徹底されていて、非の付け所がなかった。クリンネスが出来ていると、他の所の細かい粗さがしが始まった。
「ここまで徹底してやらないと、心に隙間ができるから」と涼しい顔で言ってのけた。
美容院オーナーが「二度と頼まない」と激怒したことは言うまでもない。
ホールオーナーも同じ思いをした。
業界全体の業績が右肩下がりの中、藁にもすがる思いでコンサル会社のセミナーを受講した。それで、コンサルを頼むことにした。
本契約の前に「これまでに稼働を倍にしたことがあるか?」と聞いた。
期待した答えとは裏腹に口ごもった。
イベントができない時代、大手コンサルといえども稼働を上げる特効薬がないことだけは伝わって来た。
一時期流行った新台を地域最大、地域最速で導入して、最速で外す手法はノウハウでもなんでもない。資金力があればどこでもできる。それを焚きつけるコンサルもいたが。
大正9年に国勢調査を開始して以来、初めて人口が減少して、平成27年度の日本の総人口は1億2711万人だった。5年前の調査から約95万人減少した。

関東圏に人口が集中して、地方は少子高齢化で人口減が加速して行く。
今回のホールオーナーも東北で営業している。元々の人口が減っているため、コンサルもどうにもならない地域ではコンサルを請け負いたくない、というのが本音かも知れない。
若者はパチンコに興味を示さないが、それはハードルの高さがあるからだ。1日働いて稼いだバイト代が速攻でなくなるような今のパチンコから脱却しなければならない。
40玉交換仕様のパチンコ台を作る必要もある。それによって、売り上げも粗利も大幅に落ち込むが、ホールが血を流さない限り、パチンコのすそ野は広がらない。
パチンコバブルはとっくに弾けているのだから、今の利益を確保することに無理がある。

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