ところが、ダイナムよりも先に東南アジア市場を狙って日本のホール企業が動き始めた。
7月13日、新潟の三井企画がベトナム南部の都市カントーにベトナム初のパチンコ店「MEKONG GAMES」(168台)をグランドオープンさせた。設置機種は全台、愛喜の普通機「コスモアタッカー」というのが特徴。パチンコを東南アジアで広めるにあたって、初心者でも分かりやすい同機を選択したことがポイントであろう。
東南アジアではないが、オータグループが7月8日、中国・上海に「太田遊戯体験中心」(310台)をグランドオープンさせた。「北斗の拳」「リング」などを導入している。
いずれも、遊技で得たポイントは、景品と交換するシステムが採られている。
夢コーポレーションの松田泰秀会長の個人会社がフィリピンに「SONAR AMUSEMENT」をオープンさせた。これは縦型のテレビゲーム機(パチンコ、パチスロ、ビンゴの3種類のゲームソフト搭載)で厳密にはパチンコとは違うが、フィリピン版のパチンコとしている。
「日本人もそうだが、アジア人はおしなべてギャンブル好き。特に東南アジアはどんどん発展して行く市場で、収入が上がれば、次に必要になるのは娯楽。メーカーとしても東南アジアに市場を作りたい」(上場メーカー役員)
メーカーやダイナムより小回りの利く会社がさっさと突破口を開いたという印象である。メーカーが海外進出を目論むのにはこんな理由もあった。
「ニンテンドーはゲームの当たりハズレで業績が大きく左右されます。お客さんは面白くないゲームは買わないから。ところがパチンコ店は機械がなければ商売できないので、必ず買ってくれる。パチンコはほぼ完売する。そういう意味では安定しているいい業界。だから海外に市場を作りたい。見本をどこかに作りたい。成功すれば50年は安泰」(同)
そこで参考になるのがイオンのASEAN出店だという。2014年はインドネシア、ベトナム、カンボジアで大型ショッピングモールを開業させている。人口増加による消費の拡大が見込める地域としいてASEAN諸国は有望株で、ミャンマー、ラオス、バングラディシュへの進出も検討に入っている。
2年前の日報のエイプリルフールネタは、中国の内陸部でパチンコ店を発見した、という内容だったが、意外にも真に受けていたのがメーカーやホールオーナーだった。喉から手が出るほど海外進出の手がかりを欲しがっているのが分かった。
海外でパチンコを流行らせるには普通機からスタートするのが順番かも知れない。そういう意味でもベトナムが気になる。

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