その背景には、日本ではAndroidスマホの立ち上がりが遅れたことに加え、操作性に優れていたiPhoneを選ぶ人が多い。周りがみんなiPhoneを持っていたら、それに流されやすいのが日本人だ。それをカッコイイiPhoneのCMがダメ押しする。日本人にとってiPhoneを持つことがカッコイイのだ。
世界でAndroid市場が圧倒的なのは、やはり安いからだ。一方のiPhoneは高いが、信者化しているので値段の多寡などは問題ではない。従ってiPhone信者は格安スマホには見向きもしないが、iPhoneの呪縛が解けたら、格安スマホ市場は一気に開花する。
その準備だけは着々と進んでいる。格安スマホ市場へ異業種からの参入が相次ぐ中、8月1日から日本郵便が東海地方の郵便局で格安スマホの販売を開始した。局のカウンターに専用のカタログを置いて、申し込むと郵パックで自宅に届く。
ガラケーを持っているお年寄りなどは、格安スマホの重要なターゲットとなる。
格安スマホをお年寄りが持つことを想定して動いているのが、スマホゲームの開発会社だ。
「パチンコ客を全部獲得する、という意気込みで開発中です。パチンコ客は元々おカネを使っているわけですから、課金することも期待できます。それとパチンコで暇を潰しているわけですから、ゲームで暇を潰すのも一緒。課金してもパチンコほどおカネがかからないとなれば、スマホゲームに移行できる」(スマホ業界情報筋)
ゲームの中身までは教えてくれる由もないが、暇つぶし目的で来店しているお客さんがスマホゲームに流れるようになったら、業界は再びインベーダーゲームショックを経験することになる。
ネット通販最大手のアマゾンは8月3日から、書籍や雑誌、コミックを含む国内の作品12万冊が月額980円で、電子書籍で読み放題になるサービスを開始した。電子書籍を読むにはKindleなどの専用端末が便利だから、Kindleが売れることになる。これも時間の余裕があるお年寄りには、もってこいのサービスだ。
おカネのかからない暇つぶしの道具が増える一方だ。業界的にはアゲンストの風が吹くばかりだが、パチンコが根強いのは遊んで勝ったらおカネになること。この優位性が揺らいだ時が、新たなパチンコ業界が胎動する時なのかも知れない。

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