パチンコ日報

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検定取り消しにならなかったもう一つの理由

国内市場が縮小すれば、海外に新たな市場を求めるのは自然の摂理だ。その過程で2010年、京楽がマカオで開催されたグローバル・ゲーミング・エキスポにパチンコ機を出展したことがある。この時は参考出品で、海外のバイヤーにパチンコがどう受け入れられるか、感触をつかむことが目的だった。

ライセンスも取得していないので、いくらバイヤーが買いたいといっても、カジノには設置することはできない。カジノにゲーミングマシンを納入しようと思えば、まず会社のライセンスが必要になる。

会社がマフィアと関係を持っていないか、経営者及び、親族に犯罪歴はないか、脱税で摘発されたことはないか、などの厳しい身辺調査をパスしなければならない。

京楽同様に海外進出を目論んでいるパチンコメーカーにすれば、新たなゲーミングマシンを開発するよりも、パチンコ機がカジノに採用される方がいいにこしたことはない。パチンコこそが長年に亘って蓄積してきたノウハウの塊である。

2011年、テレビ大阪の「たかじんNOマネー」に出演したフィールズの山本英俊会長はパチンコに対して「成熟した日本の国民がこんなに楽しめるから、アメリカやアジアの人も必ず楽しめます」とアメリカやアジア進出を明らかにしている。

日本人でも不評な騒音については「うるさいので、あれは欧米の人は嫌がります。玉もなくして循環式にさせ音も消す。そうやって改良してもっと静かなパチンコ台を持って行きます」と語っている。

その後、メーカーの海外進出に関する話はなりを潜めているが、メーカーとして最大の危機を迎えたのが「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機の撤去問題」だった。

どういうことか?

「違法機なら5年間は検定を受けられなくなる。警察庁も責任を取りたくないから、メーカーにリストアップさせた。不正機となれば、検定取り消しの汚点が付くだけでなく、不正に関与していたメーカーは、カジノにパチンコ機を採用してもらえないことにもなる。この問題はほぼ全メーカーといわれていたので、カジノ進出を図りたいメーカーはライセンスが取れないことにもなる。それを回避するために、見えないところで大きな力が働いた」(週刊誌記者)

ゲーミングマシンでの参入だけでなく、カジノホテルでの参入を目論んでいるメーカーもあるように、ライセンスを取得するために、身辺がきれいでなければならない。

国会議員が大臣になって過去の問題で辞任せざるを得なくなることが往々にあるが、そんな甘い身体検査ではない。


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