日本人は親切なので片言の英語で助け舟を出した。
ジェスチャーを交えながら、「こうやって玉を打ち出して、スタートに入れたんだよ」と一通りの遊び方を教えた。
理解した外国人はパチンコを打ち始めた。しばらくしてからの展開が面白かった。 なんと、彼は大当りを引き当てたのだ。すると一緒に来ていた仲間の3人が加わり、連チャンモードに突入したのか大当たりするたびに、「イエーイ!」と叫びながらハイタッチだ。
これには、さすがにちょっと辟易した。「五月蠅い奴らだな」と内心思いながらも隣でド派手に盛り上がっている彼らを静観していた。
ある程度遊んだところで止め方や景品の交換方法を聞いてきた。
一緒に景品カウンターまで行き、特殊景品をもらい、TUCまで案内した。何と換金額は6万円だった。
ここで驚きの展開が待っていた。 別れ際、外国人が「チップ」と言って渡してきたのは、なんと半額の3万円だった。欧米では確かにチップ文化があるが、まさかここまで太っ腹なチップをもらうとは夢にも思わなかった。
「彼らは日本円の価値が分かっていないのか?」と一瞬疑ったが、その厚意をありがたくいただいた。本日の負けが帳消しになったのだから、これ以上ないハッピーエンドだ。
それにしても、日本人と外国人の違いがこんなところで浮き彫りになるとは思ってもいなかった。 日本人なら、大当たりしたところで静かに喜ぶのが一般的だ。パチンコに慣れてきた我々にとっては、大当たりは特別な出来事ではなく、ゲームの一部に過ぎない。
しかし、初めてパチンコを体験した外国人は、大当たりのたびに熱狂し、その興奮を全身で表現する。
かつての日本人だって大当たりに対する反応は今とは違っていた。フィーバー機が初めて登場した頃、ホールは今の彼らと同じような熱気に包まれていた。止めどもなく出てくる玉に驚きすぎて心臓発作を起こしてお年寄りまでいた。
外国人が本格的にパチンコのことを理解して、楽しむようになったら、「これは大変なことになる」と感じたのが率直な感想だった。
それは大当たりした時の彼らの熱狂ぶりから感じたものだった。
こうやって実際にパチンコで勝った体験を外国人自らが伝えることで、ジワジワと広まり、ある時点で加速度的に広まり、インバウンド需要が伸び続ける中で、パチンコが観光産業の一部として外国人に受け入れられる可能性がある。
そのためにも、言語の壁や文化の違いに対応するためのサービス改善が求められる。英語やその他の多言語に対応した案内表示、スタッフの言語力向上も必要だ。
それらが整えば、パチンコは日本独自の魅力的なエンターテイメントとして観光の目玉になる。
3万円のチップからそんな思いを馳せるようになったようだ。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。