新台入れ替え検査で所轄の担当がホールにやってきた。この時あえて役職のなさそうな一般社員をつかまえてこんな質問をして来た。
「メンテナンスって普段どうやってるの? 釘をどうやってメンテナンスしているか見たことある?」
釘調整とは言わずにメンテナンスと言葉を置き換え、探りを入れてきた。メンテナンスと言えばついぽろっとしゃべるとでも思ったのだろう。
「見たことはありません」とキッパリ答えた。
警察庁が釘調整を違法と明言した以上、所轄の担当も釘調整をしていることを知っていて、敢えてこんな質問がしたくなるのも所轄の性か。
ホールにメンテナンスのことを聞いても分かるわけがない。ホールは釘調整は利益コントロールのために行っているのであって、メンテナンスと思って釘調整を行っているのではない。
メンテナンスの定義は言い出しっぺに説明を求めるのが筋というもの。
釘調整以外にも所轄は細かく指導して来る。
夏本番を迎え、28度のエコ設定温度を忠実に守っているホールは、それでは室内が暑いので大型の工事用扇風機を島端に置いて送風している。28度で暑いのを我慢しているお客さんのために、オシボリに水を含ませ、冷凍したオシボリを配っていたら、どこが垂れ込んだのか、指導が入った。
「冷凍は加工している。過剰サービスになる。取に来て使う分にはいいが、皆に配るんじゃない」
実に細かい指導だ。
同様にやかんで沸かした麦茶を冷やして、無料サービスしていたら、これも「水ならいいが、麦茶はダメ」と恣意的とも思える指導が入った。
こうした細かい指導はともかく、釘調整の安全性を求めて、公益財団法人日工組社会安全研究財団(市原高明理事長/大一社長)は動くことはできないのだろうか? 前身は昭和62年に設立された財団法人日工組調査研究財団で、財団法人社会安全研究財団、公益財団法人日工組社会安全財団などの名称変更を経て、ことし4月に現在の名称に落ち着いた。
活動目的は安全問題に関する調査、研究と資料の収集等を組織的に行うとともに、これらの事業を行う団体等に対する助成等の事業を行い、もって公共の安全と秩序の維持に寄与しようするものである、としている。
暴力団排除事業や東日本大震災助成、安全事業の助成など、ほとんどが業界外の活動だが、関係するものとしては、平成25年にパチンコ依存問題に関する研究会を設置し、長期研究を開始している。
公益性が求められる財団だけに、「釘調整の安全性の研究」というテーマは守備範囲ではなににしても、せっかく、日工組メーカーが立ち上げた財団であるわけだから、業界のためにも働いてもらいたいものだ。
かつて、ノンフィクション作家の溝口敦氏がこの財団に斬りこんだことがあった。その関係性を持ってすれば釘調整もOKになりそうなものだが。

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