民放のテレビ番組とは視聴率が優先されるために、同じ素材を扱うにしても各局の腕の見せ所となる。
都知事選の報道番組でもいかにショーアップするかに苦慮する。
「鳥越俊太郎氏は自分が終戦の時に二十歳だった、といったり(実際は6歳)、東京の出生率を高いと発言したり(実際は最下位)、簡単な間違いを連発して、認知症が疑われています。認知症を簡単なテストで発見できる『長谷川式簡易知能評価スケール』を候補者に討論会でテストさせる企画が持ち上がりましたが、残念ながら没になりました」(在京キー局ディレクター)
タレントの石田純一が立候補していたら、もっと派手な報道番組が作れたが、地味な選挙報道になったことを悔しがる。
再びパチンコの話に戻そう。前出の制作会社の関係者は、こう続ける。
「パチンコは反応が悪いだけでなく、パチンコのことを話題にしただけで苦情が来たりする。局に電話するのならまだいいのですが、スポンサーの所へ直接電話を入れる人が最近は増えているので、局が一番恐れるのはそこです。そうなると、最初からパチンコのことは触れなくなってしまいます」
報道されるパチンコネタといえば、パチンコで作った借金から犯罪を起こした事件ばかり。結婚詐欺師を追跡した番組では、会社の社長というのは真っ赤なウソで、昼間はパチンコ店に入りびたり。こうしたネガティブ報道ばかりでは、パチンコをやろうという気も起こらないというもの。もっとも、業界人でさえパチンコが日常的に打てなくなっていることが一番の問題だ。業界人が打てないものを未経験者に勧められるわけもない。
そのために取った措置がちょいパチなのだが。
「パチンコ業界からの広告が欲しいからいうわけではありませんが」と前置きした上で、こう提言する。
「まずは世間の反応を恐れずに、テレビCMをガンガン流すことです。最初は深夜帯から始めてもいい。自分たちで波風を立てることが大事です。われわれが取り上げたくなる業界の新たな取り組みがあれば、番組を作ることも考えられます」
パチンコ業界におけるポケモンGOのような製品でも出てくれば、業界に再び一発逆転のチャンスが訪れるかも知れない。そういう機械が出ても20万円以下で発売したら、お客さんの懐を痛めることもなく、遊技人口の復活も期待できる。

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