「スロットは設定がありますが、パチンコはどうやって利益を上げる努力をされているのでしょうか?」
担当は時節柄、釘調整のことを説明するのに戸惑った。釘調整は違法といわれている以上、「日頃のメンテナンスとして行っている」といっても子供でもあるまいし、相手を納得させる説明にはならない。
そもそもメーカー出荷時の状態に戻すメンテナンスでは利益は上がらない。スタートの開け閉めや出玉を削ったり、ベースを殺すことで初めて利益が上がる、というもの。
真面目そうな学生だったが、面倒な質問をして来たので、結局不採用にした。
パチンコ業界には全国に72万台の不正パチンコ機が流通している可能性があり、年内までに回収・撤去しなければならない、というニュースは、業界のイメージをまた悪くさせた。こんな報道が流れれば、業界へ就職する新卒者も減るというもの。
違法と認定された釘調整について、業界は臭いものに蓋をしても問題解決にはならない。学生からパチンコはどうやって利益を上げているのか、と聞かれても胸を張って答えられるようにしなければならない。
釘調整をどうやって合法化させるか。大きな課題だ。
京都・城陽市で、釘曲げで店長が書類送検されたことに触発されて、こんな申し出をした現役店長がいる。
「違法なことはしたくない。私はビビりなんで胃が痛くなっています。もうこれ以上釘は触りたくありません。会社は辞めたくはありません。降格になってもういいから、釘担当から外してください」
店長は大切な戦力だったこともあって、会社側はスロ専の店長へ異動させた。
また別のホールでは所轄からハネモノで1日何回打ち止めがあるのか、と質問された。
主任は「2~3回ですかね」と答えた。
「毎日そんな感じ?」
「毎日は無理ですよ。私は調整していないので分かりません」
この一件があってホールは釘帳を事務所に保管しないようにしている。
その他、釘調整に関するハンマー、ゲージ棒などの道具も「何のための道具?」と聞かれても困るので、事務所には置かないようにしているホールもある。
警察庁が釘調整を違法とした以上、都道府県警察も釘でどんどん摘発してくるものと思われる。
現場で釘を触っている社員のためにも、何度も言うが、早期にこの問題を解決しなければ、閉塞感が漂うだけ。
法律を改正して、釘調整のできない封入式にするか、全面液晶で釘も玉もフルデジタルにする道に進んでいくんだろうか?

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