P-martTVといってもピンと来ないかもしれないが、「閉店くんが行く」といった方が分かりやすいパチンコ動画サイトがある。
このP-martTVは、ユーチューブのあまたあるエンタメ・チャンネルの中で、動画の再生回数では3億5146万2527回で堂々の第2位を誇っている。ディズニーの公式チャンネルや吉本興業チャンネルよりも多く視聴されている。
ちなみに登録ユーザー数は、22万5643人で6位となっている。
P-martTVはユーチューブがまだ一般的ではなかった今から8年前に誕生した。パソコンのスペックが動画再生にまだ追いついていない時代だったが、スマホが普及し始めようとしたころでもある。
そんな時代に誕生したのが「閉店くん」だった。
「休憩コーナーでマンガを読んでいるユーザーにイベント案内をするのに声をかけたことがきっかけでした。彼らはおカネがないのでスロットも打たずにマンガを読んでいたわけですが、イベントをすると彼らが集まるようになりました」と話すのは平野代表。
彼らは1日の営業が終わる時間までホールにいて、データを基に高設定台を判別して、閉店間際に最後のワンチャンスに1000円をつぎ込む罰ゲームのような遊びをしていた。その時の彼らの合言葉が「閉店くん行こうぜ」だった。
動画番組を制作する中で、当時は長時間のものよりも短時間のものが好まれた。そんなニーズもあって出来上がったのが閉店10分前に最後のワンチャンスにかける「閉店くんが行く」だった。
ところが「閉店」というネーミングが「縁起が悪い」という理由からホールのウケは芳しいものではなかった。最初の3年間は鳴かず飛ばずの番組だった。
無名の番組に注目したのがマルハン池袋店だった。番組で告知したところ当日は100人あまりが集まり、表の道路を塞いだ。警察が交通整理に出動するほど人で溢れた。インターネット動画の力を見せつけられた瞬間だった。
閉店くんの撮影がある、というだけで人が集まるようになった。
この頃になると動画にも対応できるスペックのパソコンが一般的になっていた。動画時代の到来である。
閉店くんの人気は凄まじいものがある。ただ閉店くんは1人なので対応するのに限界がある。今は依頼しても半年待ちの状態でもある。それを解消するために、最近は閉店ちゃん、という女性で対応しているが、オフ会では閉店ちゃんの人気が高まっている。
その一方で、コアなユーザーからは「P-martTVはゆるくてつまらない」という声もあるが、P-martTVはライト、ミドルユーザーを対象にした番組作りの姿勢は崩さない。
P-martTVにはパンダ会というユーザー友の会がある。毎月1回のペースで懇親会を開いている。
「今は負けに行くようなもの。この会がなかったらスロットを辞めていた、という人もいます。この会がひと月のストレスを発散する場にもなっています」
月例会は各地で開かれるので20人~50人の集まりだが、年末の忘年会には100人ほどが集まる。この日は朝一から夕方までホールで実践して、夕方から忘年会となる。当日、近くの公園に100人ほどのメンバーが集まり、列をなしてホールへ行く様は壮観である。
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