現場としては、緊急を要している子供にトイレを使わせてあげたいとは、誰もが思っていることであるが、そこには一般人には分からない警察の壁が現実にある。
子供にトイレを使わせて親から苦情が来たり、所轄から呼び出しを食って事情説明をしなければならないこともある。
そんなことを一般人は知る由もない。だからホールの対応を簡単に批判する。
これも実際にあった話だ。
中学生が急におなかが痛くなってホールのトイレを利用した。店から出たところをたまたま通りかかった警察官に見つかり補導された。警察としては未成年がパチンコをした、との疑いを持ったからだ。
中学生は従業員にも断らずにトイレを使っていたので、警察が本当にトイレ利用だけだったかを調べるために、ビデオで中学生の行動確認を行った。
本当にトイレ利用だけで、遊技はしていないことは分かった。
しかし、ホールは始末書を書かされるはめになった。
小学生ならともかく、中学生以上になるとトイレ利用ではなく、パチンコにも興味を持ってくる年頃になってくる。18歳未満の入場がまだ甘かった昔は、高校生が制服を着替えてパチンコしていたこともあった。
18歳未満をホールに客として立ち入らせることは禁止されているが、客か客でないかの判断をするのは意外と難しく、面倒くさいので一律18歳未満は入場禁止にしてしまった経緯もある。
18歳未満の立ち入りが厳しく罰せられるようになって、もう一つ不幸な事故が起こるようになった。ホール側も子連れを排除するようになったので、駐車場で幼児が熱中症で死亡する事故が多発するようになる。
車内で熱中症になるぐらいなら、ホールの休憩室にバギーカーを置かした方がまだまし、という議論も業界から起こることもなかった。それこそ、世間からは猛烈な反発を食らうことは必至だ。
車内に幼児を放置してでもパチンコに興じる親は、ギャンブル依存症であり、業界としてもそこまでしてパチンコをやって欲しくもない。
話は変わるが、警察の事なかれ主義は、地元の祭りの協賛についても「好ましくない」との指導を受けたホールもある、という。
月1回200円までの総付け景品がOKになったころからで、地元への寄付行為が総付け景品の範疇を超えるものとの判断が所轄で働いたようだ。
これもすべて所轄の判断で、警察庁は裁量権を現場に委ねている。
地元の祭りは地域の商店などからの協賛金で運営しているケースが少なくない。このホールがいくらぐらいの協賛金を寄付していたかは分からないが、大口だと地元自治会も当てが外れる。
「地元密着営業を企業理念にも謳っている。地元のお客さんで商売させてもらっている。その恩返しで地元への寄付行為ぐらいは認めてもらいたい」と所轄の判断に憤る。
所轄がNOといえば、納得しなくても判断に従うしかない。一度目を付けられたら別件捜査でいくらでもいちゃもんをつけられるからだ。
こうしてホールは牙を抜かれ、一般人では考えられないようなことが日常的に起こっている。

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